原油反発。米主要株価指数の反発などで。63.05ドル/バレル近辺で推移。
金反落。ドル指数の反発などで。1,765.55ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年09月限は13,960元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年06月限は408.1元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで541.85ドル(前日比12.55ドル拡大)、円建てで1,915円(前日比13円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(4月28日 19時8分頃 先限)
金 6,184円/g 白金 4,269円/g
ゴム 241.2円/kg とうもろこし 33,940円/t
●NYプラチナ先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「高騰する温室効果ガス排出権価格」
前回は、「実質ゼロ、Tank to Wheelという抜け道」として、国内外の自動車メーカーの方針における2つの抜け道について書きました。
今回は、「高騰する温室効果ガス排出権価格」として、前回述べた国内外の自動車メーカーの方針における2つの抜け道について補足します。
以下のグラフのとおり、前回述べた「実質ゼロ」に関連する、温室効果ガス(主に二酸化炭素)の排出権の先物価格は、急上昇しています。これは、排出できる権利の売買が活発になっていることを意味します。
平たく言えば、排出せざるを得ない組織が、排出しなくても存在できる組織から、排出してもよい権利を融通してもらっている規模が拡大しているわけです。温室効果ガスの排出権取引は、ある意味、「実質ゼロ」の切り札の一つと言えるでしょう。
トランプ大統領のパリ協定脱退宣言以降、新型コロナの感染が拡大する前まで、価格の上昇が目立ちました。米国が同協定を脱退したことで、温室効果ガスを排出する企業が増え、排出量が増えてしまった場合への対策のため、排出権を融通する需要が高まる観測が浮上したことが一因とみられます。
新型コロナショック時は、世界経済の停滞懸念から一時的に下落したものの、現在は上昇が目立っています。バイデン大統領のパリ協定復帰宣言が一因とみられます。排出削減ルールの厳格化が見込まれる中、排出した量を相殺する(帳消しにする)ため、排出権を融通する需要が高まる観測が浮上していることが、一因とみられます。
「Tank to Wheel」については、自動車の燃料タンク(Tank)に燃料が充填してある状態からタイヤ(Wheel)が駆動し終えるまでの間に、つまり、「走行時に」いかにして温室効果ガスを排出しないようにするのかに、主眼が置かれています。
一方、「走行時」だけでなく、燃料の掘削(油井:Well)からタイヤ(Wheel)を範囲とした「Well to Wheel」や、それよりもさらに広い、部品調達や廃棄、リサイクルまでをも網羅した「Life Cycle Assessment」などの考え方もあります。
言い換えれば、「Tank to Wheel」は、燃料の掘削や輸送、あるいは部品調達や廃棄、リサイクルなどの「走行時」以外の分野を網羅していないことになります。この点は、EV(電気自動車)に充填する電気がどこで作られたのか、の議論がなされないケースに似ています。
「お金を出して排出権を購入すればよい」「走行時だけ排出しなければよい」という、いわば逃げ道が残っている点は、温室効果ガス削減を議論する上で、避けてはならない、非常に重要な点だと、筆者は考えています。
先述のとおり、これらの「逃げ道」は、温室効果ガスの削減目標を達成するまでの、一定の緩衝策(バッファ)だと、筆者は考えています。未来永劫、「逃げ道」が存在することは望ましいことではありません。
しかし、それでも、特に資本主義社会において、ほとんどの国や企業が目指す、「温室効果ガスを削減しながら、発展し続ける(もうけ続ける)こと」を、達成するためには、長期的に、緩衝策(バッファ)を使い続けることは、やむを得ないのかもしれません。
図:欧州インターコンチネンタル取引所の排出権先物価格 単位:ユーロ/トン
出所:ブルームバーグのデータより筆者作成
金反落。ドル指数の反発などで。1,765.55ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年09月限は13,960元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年06月限は408.1元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで541.85ドル(前日比12.55ドル拡大)、円建てで1,915円(前日比13円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(4月28日 19時8分頃 先限)
金 6,184円/g 白金 4,269円/g
ゴム 241.2円/kg とうもろこし 33,940円/t
●NYプラチナ先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「高騰する温室効果ガス排出権価格」
前回は、「実質ゼロ、Tank to Wheelという抜け道」として、国内外の自動車メーカーの方針における2つの抜け道について書きました。
今回は、「高騰する温室効果ガス排出権価格」として、前回述べた国内外の自動車メーカーの方針における2つの抜け道について補足します。
以下のグラフのとおり、前回述べた「実質ゼロ」に関連する、温室効果ガス(主に二酸化炭素)の排出権の先物価格は、急上昇しています。これは、排出できる権利の売買が活発になっていることを意味します。
平たく言えば、排出せざるを得ない組織が、排出しなくても存在できる組織から、排出してもよい権利を融通してもらっている規模が拡大しているわけです。温室効果ガスの排出権取引は、ある意味、「実質ゼロ」の切り札の一つと言えるでしょう。
トランプ大統領のパリ協定脱退宣言以降、新型コロナの感染が拡大する前まで、価格の上昇が目立ちました。米国が同協定を脱退したことで、温室効果ガスを排出する企業が増え、排出量が増えてしまった場合への対策のため、排出権を融通する需要が高まる観測が浮上したことが一因とみられます。
新型コロナショック時は、世界経済の停滞懸念から一時的に下落したものの、現在は上昇が目立っています。バイデン大統領のパリ協定復帰宣言が一因とみられます。排出削減ルールの厳格化が見込まれる中、排出した量を相殺する(帳消しにする)ため、排出権を融通する需要が高まる観測が浮上していることが、一因とみられます。
「Tank to Wheel」については、自動車の燃料タンク(Tank)に燃料が充填してある状態からタイヤ(Wheel)が駆動し終えるまでの間に、つまり、「走行時に」いかにして温室効果ガスを排出しないようにするのかに、主眼が置かれています。
一方、「走行時」だけでなく、燃料の掘削(油井:Well)からタイヤ(Wheel)を範囲とした「Well to Wheel」や、それよりもさらに広い、部品調達や廃棄、リサイクルまでをも網羅した「Life Cycle Assessment」などの考え方もあります。
言い換えれば、「Tank to Wheel」は、燃料の掘削や輸送、あるいは部品調達や廃棄、リサイクルなどの「走行時」以外の分野を網羅していないことになります。この点は、EV(電気自動車)に充填する電気がどこで作られたのか、の議論がなされないケースに似ています。
「お金を出して排出権を購入すればよい」「走行時だけ排出しなければよい」という、いわば逃げ道が残っている点は、温室効果ガス削減を議論する上で、避けてはならない、非常に重要な点だと、筆者は考えています。
先述のとおり、これらの「逃げ道」は、温室効果ガスの削減目標を達成するまでの、一定の緩衝策(バッファ)だと、筆者は考えています。未来永劫、「逃げ道」が存在することは望ましいことではありません。
しかし、それでも、特に資本主義社会において、ほとんどの国や企業が目指す、「温室効果ガスを削減しながら、発展し続ける(もうけ続ける)こと」を、達成するためには、長期的に、緩衝策(バッファ)を使い続けることは、やむを得ないのかもしれません。
図:欧州インターコンチネンタル取引所の排出権先物価格 単位:ユーロ/トン
出所:ブルームバーグのデータより筆者作成