[Vol.994] 木材、ロジウム、炭素排出権も上昇

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。64.40ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,834.35ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年09月限は13,280元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年07月限は414.5元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで607.55ドル(前日比9.95ドル縮小)、円建てで2,119円(前日比33円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(5月14日 19時40分頃 先限)
6,409円/g 白金 4,290円/g
ゴム 250.9円/kg とうもろこし 36,160円/t

●大阪パラジウム先物(期先) 月足  単位:円/グラム


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「木材、ロジウム、炭素排出権も上昇」

前回は、「相次ぐ、史上最高値更新。もはや「お祭り騒ぎ」!?」として、今月に入り、各種コモディティ価格が史上最高値圏で推移していることについて書きました。

今回は、「木材、ロジウム、炭素排出権も上昇」として、前回取り上げた、今月に入り、騰勢を強めている各種コモディティ価格のこれまでの推移について書きます。

前回述べた、「お祭り騒ぎ」の様相を呈している17銘柄について、2020年5月7日を100として、この1年間の値動きを振り返ります。

先週、史上最高値をつけたり同高値水準を維持したりした暗号資産(仮想通貨)ですが、この1年間を振り返ると、特に、昨年11月ごろから、騰勢を強めました。3つのうち最も上昇が目立ったイーサリアムは、11月比(このおよそ半年間で)、価格が8倍になりました。

以下のグラフは、木材、ロジウム、イリジウム、炭素排出権、鉄鉱石の価格推移です。これらも、暗号資産(仮想通貨)と同様、昨年11月ごろから、騰勢を強めたことがわかります。木材は、11月比(このおよそ半年間で)、価格が3倍になりました。

また、菜種油、パーム油、大豆油といった植物油ですが、昨年夏前から、主要穀物生産国の天候不順など、植物油固有の上昇要因があったため、この1年間は上昇続きでしたが、暗号資産(仮想通貨)や木材、ロジウム、イリジウム、炭素排出権、鉄鉱石と同様、昨年11月ごろから、騰勢をさらに強めています。この中で最も上昇が目立った大豆油は、11月比(このおよそ半年間で)、価格が2倍になりました。

銅、パラジウム、主要株価指数についても、これまで述べた11銘柄と同様、昨年11月ごろから、騰勢を強めたことがわかります。この中で最も上昇が目立った銅は、11月比(このおよそ半年間で)、価格が1.5倍になりました。

先週、史上最高値をつけたり同水準を維持したりした銘柄のほとんどが、昨年11月ごろから、騰勢を強めたわけです。このタイミングは、各種市場や市場全体にとって、どのようなタイミングだったのでしょうか?次回以降、この「昨年11月ごろ」について、述べます。

図:木材、ロジウム、イリジウム、炭素排出権、鉄鉱石の価格推移 ※2020年5月7日を100として指数化


出所:ブルームバーグのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。