金相場、短期的な買われ過ぎ感も、トレンドの勢いは強い

著者:菊川 弘之
ブックマーク
 一方、RSIやストキャスティクスなどのオシレーター系指標は、短期的な買われ過ぎ感を示しており、テクニカル的な調整局面も想定されるものの、4月安値を起点とした上昇トレンドとも重なる価格帯別出来高の厚い心理的節目1800ドル水準を割り込まない限りは、押し目買い基調は継続しそうだ。

 2021年1月には、RSIが70を超えて短期的な買われ過ぎ感から調整に入った。

 2020年7月~8月にかけては、RSIは短期的な買われ過ぎ感を示す高水準を維持したまま、高値更新した。強い相場(大相場)の時は、オシレーター指標は、往々にして買われ過ぎ感(高水準)を示したまま、価格は上昇するが、2020年に史上最高値を付けた時は、このパターンであった。トレンドの勢いを表すADXも強いトレンドを示す30を超えていた。

 2021年1月の際は、RSIは70を超えていたものの、トレンドの勢いを表すADXは低水準だった。

 今回はRSIは70を超えているが、ADXも30を超えており、トレンドの勢いは強い。

 2020年8月高値~2021年3月安値までの下げ幅に対する半値戻し(1894.4ドル)で上値が抑えられているものの、深押しすることなく61.8%戻し(1946ドル)を試す可能性もあろう。既に、二陰介在十陽連で、更に陽線が続くと短期的な買われ過ぎ感に対する調整も予想されるが、中長期の押し目買い基調に変化はない。

 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

https://www.nstrading.co.jp/

http://market-samurai.livedoor.biz/