[Vol.999] ESGは全体像をとらえることが重要

著者:吉田 哲
原油反発。米主要株価指数の反発などで。62.38ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反落などで。1,877.25ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年09月限は13,675元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年07月限は400.2元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで677.25ドル(前日比0.35ドル拡大)、円建てで2,363円(前日比28円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(5月21日 18時19分頃 先限)
6,551円/g 白金 4,188円/g
ゴム 251.8円/kg とうもろこし 33,500円/t

●NYプラチナ先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「ESGは全体像をとらえることが重要」

前回は、「実態なきインフレと金相場」として、「実態なきインフレ」と金相場の関係について、筆者の考えを述べました。

今回は、「ESGは全体像をとらえることが重要」として、ESGの全体像を確認します。そして今後数回にわたり、コロナ禍で急速に存在感を強めているこのESGという考え方がプラチナ市場に及ぼす影響を考察し、今後の価格動向を展望していきます。

ESGとは、ご存じの通り、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字です。近年、企業活動の監視項目、国連が提唱するSDGs(持続可能な社会を作るための17のゴール)を達成するための一手段、コロナ禍における人々の実生活を改善するための動機付けなど、さまざまな意味を持つようになってきました。

Eの「環境」に関するニュースがひときわ目立つ(量が多い・受ける印象が強い)こと、Sの「社会」が広範囲を網羅するやや漠然とした概念であること、Gの「企業統治」がイメージしにくいことなどが要因で、EとSとGは独立しているように感じることがありますが、実際には、3つは以下のように関わり合っていると、考えられます。

下図より、E(環境)とG(企業統治)はS(社会)の一部であること、GとSの一部はEを維持・改善させる直接的な影響力を持っていることが分かります。

GとSの一部に依拠する、世界的に関心が集まっているEが維持・改善されても、Sの一部が維持・改善されたに過ぎないことに留意が必要です。

図:ESGの全体像(イメージ)


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。