FOMCを受けた金相場見通し

著者:菊川 弘之
 米連邦公開市場委員会(FOMC)では、ゼロ金利政策の維持を決め、短期金利の指標であるフェデラルファンド金利(FF金利)の誘導目標を0~0.25%に据え置いた。20年3月に再開した量的緩和政策を継続し、当面は米国債を月800億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)を同400億ドルのペースで購入する。11人の全会一致。

 2023年中にゼロ金利政策を解除する方針を示した。米経済の回復と物価上昇率の加速を受けて、これまで24年以降としていた利上げ時期の想定を前倒しした。

 2022年1~3月期にテーパリング着手、10~12月期に資産購入停止、2023年に1回の利上げと想定したマーケットにとっては、今回のFOMCは、ややサプライズで、米長期金利が上昇、ドル買い・NY金売りで反応した。

 注目のドットチャートでは、21、22年ともゼロ金利を維持する方針が中央値となる一方、23年の利上げを見込む参加者は13人となった。前回3月は7人だった。金利見通しの中央値からみると、23年は0.25%の利上げが2回あると示唆される。22年中の利上げを見込む参加者も3月の4人から今回は7人に増えた。

 景気見通しを3月から0.5ポイント上方修正し、21年10~12月の実質国内総生産(GDP)が前年同期比7.0%増えると予測。22年は3.3%を見込む。

 物価上昇率は21年10~12月期に前年同期比3.4%に達し、目標の2%を大きく上回るとみている。ただ22年以降は2%強に落ち着くとみている。

 これまで通り、インフレは一過性との見方を維持した。

 雇用の見通しは3月から大きく変わらず、失業率が21年末までに4%台に低下するとした。

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

日産証券主席アナリスト / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。
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