第12回、MACD(移動平均収束拡散法) その1

5.MACDとMACD2

□さていよいよMACDの解説に移るが、、実は一般に知られているMACDはMACD1とMACD2がごっちゃになっている。それでわかりにくいのだ。 ■「MACD2ですか?初めて聞きました。」 □G・アペル氏によって作られたMACDは現在MACD1と呼ばれ、二本の指数平滑移動平均線とその乖離を示したMACDの線、これが基本。そしてそのMACDのトレンドを知るためにMACDのEMAを付け加えた。それがシグナル。 二本の線の乖離を示したヒストグラムはMACD2と呼ばれ、実は1986年にトーマス・アスプレイ(Thomas Aspray)氏によって開発されたMACDの改良版なのだ。 ■「博学!うんちく王!テクニカル分析のクリームシチュー上田!」 □その褒めてるかけなしているかわからない合いの手はやめろ。 ■「残念」 □ではMACD1から説明する。 先ほどMACDのことを移動平均線の改良型と言った。 ではどう改良したかと言うと・・・、移動平均を含むトレンド系分析には総じて欠点がある。 ■「あ、それ講師、前回やりました。だから、指数平滑移動平均を使うって話でしょ。」 □ちゃんと聞け。その件だけではない。トレンド系のテクニカル指標全体に言えることだが、サインが出るのが遅い。 ■「あ、なるほど。確かにトレンド系指標でトレンド発生を確認して買って、トレンドの終了を確認して売ったら、上昇トレンドのほんの一部しかとれないってケースがよくありました。」 □しかたない。底を打った瞬間にはまだ新しい上昇トレンドがこれから発生するとは読めないからね。しばらく上昇してから初めて、ああ上昇トレンドが出来ているぞとわかるのだ。トレンドの終了も同じ。天井ではトレンドの終了は読めない。ある程度下がってきて、初めて上昇トレンドが終了したことがわかる。これは移動平均線だけではなく、全てのトレンド系指標の抱える問題。 で、より騙しが少なく、しかも通常のゴールデンクロス(あるいはデッドクロス)より早くトレンドの転換を知りたいというのがトレーダーの希望、そのために生まれたのがMACDなのだ。 □実は既にMACDのことはこの講座で勉強した。 ■「え?いつの間に!?」 『移動平均線の複数使い、 移動平均線の間隔を見る』というテーマを勉強したろ? ■「確かに、それは勉強しましたが、それとMACDとどう関係が?」 □上昇トレンドがあり、その後、それが終了して下降トレンドに変わるターニングポイントはデッドクロスだが、『デッドクロスの前に短期と中期の移動平均線の間隔が狭まることにより、デッドクロスが近いというのがわかる』という見方をお話した。これが・・・MACDのエッセンスなのだ。 ■「げげ、そうなんですか。そこんとこもう少し詳しく・・・」 □もちろん、徹底的に解説するつもり。しかし、残念ながら今日はもう時間だ。タイムイズオーバー。 ■「え?もう終わりですか?いいとこなのに。延長!延長!!」 □毎回、毎回、スペシャル感謝デーというわけにはいかない。 今回はMACDのさわりの部分で終わったがなかなか面白いだろ?移動平均線との関係をここまでじっくりと勉強出来る機会はそうない。MACDを理解してもらうために『移動平均線の複数使い』や『指数平滑移動平均線』を勉強してきたと言っても過言ではない。 ■「そうなんだ。知らなかった。」 □次回はじっくりと本質に迫るぞ。ここまで勉強出来るのはこの講座だけ。それと・・・先に言っておくがムサシ君、今日はマクドナルドは行かないからな。 ■「これだ。ケチ!」 □うるさい。 ■「しかし講師、マックディがマクドナルドなら、講師はダックディですね。」 □ダックディ?どういう意味だ?ダクドナルド? ■「ドナルドダックですよ。」 □ドナルドダック!?似てるか? ■「違いますよ。あひるみたいにガーガー、怒鳴るからですよ。」
□ばっかもん!!おっしまい!!