2.%Dが%Kの3日平均であることを理解せよ!
□前々回ファースト・ストキャスとスロー・ストキャスについて勉強したね。ファースト・ストキャスがあまりに反応が早い(=騙しが多い)のでスロー・ストキャスが今はよく使われる。スロー・ストキャスは勉強してきたとおり%DとS%Dを使った分析。そのため、今や%D、S%Dが主役の座を奪ってしまったような感じがある。しかし、彼らはあくまで脇役。名脇役ではあるがね。
■なるほど。
□ストキャスを学ぶには、まず%Kを理解し、%Dが%Kの3日平均、S%Dが%Dの3日平均というこいとを理解すれば、難解に思える計算式も一気に理解できる。その結果、ストキャスと言うテクニカル指標の持つ意味がすべて簡単に理解できるようになる。
■それはわかりましたが、ちょっと%DとS%Dの公式を確認してみたんですけど、
◆ %D = A/B × 100
A=(当日終値-n日間の最安値)のY日間合計。
B=(n日間の最高値-n日間の最安値)のY日間合計。
◆ Slow%D = %DのZ日平均
※nは通常9日が初期設定(デフォルト)されていることが多い。
※Yは通常3を使う。
※Zは通常3を使う。
■確かにS%Dは%Dの3日平均とわかりますよね。そういう公式です。でも%Dは全然%Kの3日平均とは思えないんですけど。
□それはきみが未熟だから。
■そうなんですか。
□たとえば、ある幼稚園にAクラスBクラスCクラスと3つのクラスがあるとする。Aクラスの女子の比率は70%、Bクラスの女子の比率は50%、Cクラスの女子の比率は30%とする。
■突然なんの話ですか?
□数学の例題だよ。いいからよく聞け。この幼稚園全体の女子の比率は(70+50+30)÷3=50ということで50%。イエスかノーか。
■なんの話かわかりませんが、そうなんじゃないですか。イエース!
□そうかな。ほんとにそうかな?ファイナルアンサー?
■違うんですか?
□Aクラスは人数が10人、Bクラスは人数が20人、Cクラスは人数が70人だったとしてもか?
■汚い。ひっかけ問題ですか。そんな幼稚園ありませんよ。
□あくまで数学の例題だからね。
■それだと、50%じゃないかもしれませんね。
□ではその時は正しくはどう計算する。
■えーと、・・・まずは全体の園児数を計算しますね。
□そうだ。
■10人+20人+70人ということで、この幼稚園は100人が全園児数です。
□だね。
■ところで、Aクラスは女子が70%ですから、10人×0.7=7人が女子です。
□そうそう。
■Bクラスは女子が50%だから20人×0.5=10人が女子です。
□そうそうそう。
■Cクラスは女子が30%ですから、70人×0.3=21人が女子です。
□そうそうそうそう。
■ということはこの幼稚園全体では7人+10人+21人=38人の女子となります。ということは38÷100ということで38%。さっきの50%とは全然違う答えになりました。
□だろ。3クラス平均は単に3つを足して3で割ればいいんじゃない。
■このケースはクラスの人数が違いましたからね。
□%Dも実は同じなんじゃよ。
■え?
□%Dの公式を再確認しよう。