第32回、一目均衡表その3、「三役好転を中心に世間一般的に言われる一目均衡表の買いシグナル売りシグナルを検証。」

2、三役逆転とは 

□続いて三役逆転について
【三役逆転】 1.転換線が基準線を下抜けることを「均衡表の逆転」と呼ぶ。 2.遅行スパンがろうそく足を下抜けることを「遅行スパンの逆転」と呼ぶ。 3.そしてその後、価格が雲を下抜けたら、「三役逆転」と呼ぶ。
□再び注意ポイント、価格が雲を下抜ける=三役逆転ではない。均衡表が逆転し、遅行スパンが逆転し、その後価格が雲を下抜けたとき、始めて三役逆転と呼ぶ。通常は価格が下降していくと上記の順に逆転が現れるので、価格が雲を下抜けたときは、均衡表もすでに逆転し、遅行スパンもすでに逆転している。そのため価格の雲下抜け=三役逆転と誤解されやすいが、実は、価格が雲を下抜けても、均衡表が逆転していないケース、遅行スパンが逆転していないケースもあるので、単純に価格が雲を下抜けたら三役逆転と思ってはいけない。 ■了解。 □「三役好転」「三役逆転」の出現する順番をよく頭においておこう。 つまり一目均衡表における買いシグナルと言われるもののうち「均衡表の好転」は早めのシグナル。「遅行スパンの好転」は均衡表の好転よりはやや遅いがどちらかと言えば早めのシグナルとなり、「三役好転」は遅めのシグナルとなる。あくまで一般的なケースと念を押しておくがね。
【買いシグナル】 ①均衡表の好転=早めの買いシグナル ②遅行スパンの好転=やや早めの買いシグナル ③三役好転=遅めの買いシグナル
【売りシグナル】 ①均衡表の逆転=早めの売りシグナル ②遅行スパンの逆転=やや早めの売りシグナル ③三役逆転=遅めの売りシグナル
■底を打ってから安定的に上昇したケースでは均衡表の好転から数日(数本)で遅行スパンが好転しますよね。この二つのシグナルが出るのは近い。ということはちょっと値動きが変化したら、この順番が変わることもよくあるということにつながりますね。 □そのとおり。 三役好転まで待って買う、三役逆転まで待って売ると小さなトレンドでは遅すぎるケースがしばしばある。だから均衡表の好転逆転で仕掛ける人が多い。しかし、早めのシグナルなので騙しがそれなりにある。騙しを覚悟して均衡表の好転逆転で早めに仕掛けるか、三役好転逆転までじっくり待って仕掛けるか、そこらへんが大事な投資家の判断となる。  

3、もみあい期は別の見方が必要 

□それからもうひとつ大事な話がある。 ■なんでしょう? □これらは全て、トレンドがある相場での見方だ。現在相場がもみ合い中であれば、今まで話した話は通用しない。 ■ガーン! □一目均衡表ではトレンドがあるときはこう見る、もみ合い相場のときはこう見ると、見方使い方が違ってくる。そこらへんも理解出来ている人が少ない。 図 □上記図は米ドル/円の2011年11月から2012年1月までの長期もみあい期を示したもの。一目均衡表の各線は横ばいとなり、それぞれが細かくクロスを繰り返している。こんなときに、均衡表が好転したとか、三役が逆転したとか言ってもしょうがない。 ■なるほど。では、そのときはどう見るので? □あせるな、あせるな。一回では説明しきらない。ただ、今のところでしっかりと頭においておいてほしいのは、もみあい相場のときは各線のクロスに注目しても意味がないということ。 そういったことを理解した上で、その3つのタイミングのうちどこで仕掛けるかを見極めるのが一目均衡表の使い手になるためのポイントだ。