小次郎講師の徹底解説【テクニカル分析の重要性】

2、チャネルラインの持つ性質

■小次郎講師、トレンドラインを割った時にはそのトレンドの終了を予兆する、というお話でしたが、チャネルラインを超えたらどういう意味合いを持つんですか? □いい質問だね。  上昇や下降のトレンド発生中に価格がチャネルラインを割った場合、それはトレンドが加速していることを意味する。 ■確かに上昇なら買いの方に、下降なら売りの方に波が強くなったということですからね。 □その場合、「いつ」という感覚も大切だ。 ■「いつ」、ですか? □そのチャネルラインのブレイクがトレンド相場のどの時期に起こったか。  トレンドの初期・中期に起きた場合はそれだけ勢いが強いという目安だから大相場につながりやすい。  だけどトレンドの終盤に起こった場合は相場が加速している、つまりトレンドと反対方向の売買ポジションを持っている投資家がもう耐えきれなくなって、「投げ」や「踏み」のロスカット注文を一気に出し、相場が加速したという可能性もある。 ■そうなると、どうなるんですか? □すると勢いが出尽くしトレンドがそこで一旦終了、今までの流れが収まる局面を迎える可能性が出てくる。「トレンドの終焉」というやつだ。  だからトレンドの終盤にチャネルラインをブレイクした時は、そろそろ天井(或いは底)が近いというシグナルにもなる。 ■なるほど、大事なポイントですね。 □特に上昇トレンドでは、加速した後一気に暴落!ということになりやすいから注意が必要だぞ。 【チャネルラインのブレイク】 ・トレンドの初期・中期→大相場につながりやすい ・トレンドの終盤→天井(或いは底)が近いというシグナル (上昇トレンドにおいて過熱した相場は天井を付けた後に暴落しやすい) □また、もう1つのチャネルラインを引く理由としてあるのが、「トレンドの変化を素早く察知するため」というものだ。 ■変化が早く分かるんですか? □キーワードは「未達成」。  まずこの図を見て欲しい。     ■確かに「未達成」とありますね。これが何か? □何かじゃないだろ。これを見て何とも思わんかね。 ■難しいですね… □やれやれ、少し考えれば分かるのに。  先ほどのは、“チャネルラインを超えた場合“だっただろ?  それと反対に今回のは“チャネルラインまで届かなかった場合”ということだから… ■あ!トレンドに勢いがなくなっているということですか? □その通り。トレンドの勢いがなくなり、そろそろ天井(或いは底)をつけトレンドが変化するんじゃないかという第一予兆をチャネルラインを引くことによって知ることができる。 ■第一予兆ということは、その後もあるんですか? □トレンド終了の予兆は3段階ある。 【トレンド終了の予兆】 ① チャネルラインを未達成 ② トレンドラインを価格が割れ込む ③ (上昇トレンド時)前回の安値を下回る  (下降トレンド時)前回の高値を上回る ■変化は①から感じ取れますが、どこまで進行したらトレンドが終了したと判断するんでしょうか。 □③まで進行したらトレンドは完全に終了したことになる。上昇トレンドと呼べるのは高値の切り上げ・安値の切り上げという条件があるからね。下降ならその逆。 ■前回習ったダウ理論ですね。 □だからチャネルラインを意識していれば、トレンドラインを割るところまで行かずともトレンド終了をいち早く察知できるのだよ。どうだ、すごいだろう。 ■利益確定の手じまいも早めに検討できますし、新たな逆トレンドの初動が察知できればそちらでも大きな利益につながる可能性が出てきます!  これは大きなアドバンテージだ。