[3月17日からの1週間の展望]
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週間高低(カッコ内は日付) 3 月 10 日〜 3 月 14 日
始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比
ガソリン 先限 86,000 88,000(13) 86,000(10) 88,000 +2,000
灯 油 先限 88,000 88,000(10) 88,000(10) 88,000 ±0
原 油 8月限 61,830 63,180(13) 60,430(11) 62,890 +1,410
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3 月 10 日〜 3 月 14 日
<海外原油> 週間4本値 始 値 高 値 安 値 終 値 前週末比
NY原油 5 月限 66.78 67.65(13) 65.00(11) 67.18 +0.15
ブレント原油 5 月限 70.49 71.25(13) 68.63(11) 70.58 +0.22
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14日 東京時間の午後3時15分現在 ドル・円 148.66 前週末比 1.16円の円安
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【前週のレビュー】ニューヨーク原油4月限ははさらに底割れして、期近つなぎ足ベー
スではほぼ2年振りの安値水準となった。今後は70ドルの節目が上値抵抗となる可能
性が高く、65ドルの節目、そして全値押しとなる一代安値の63.61ドルが次の下
値目標となるとした。
【NY原油5月限は65ドルを支持に反発も底入れ感はなし】
ニューヨーク原油4月限は結局、65ドルの節目を割り込んでいないが、20日に納
会するため、今後は5月限が指標限月となる。その5月限は4月限より約30セント下
ザヤで推移しており、ここまでの安値は5日の64.85ドル。11日には65.00
ドルちょうどの安値があり、ダブルボトムの様相となっているが、ただ13日にネック
ラインの67.84ドルを抜けずに反落したことで、まだチャートは安値もみ合いの域
を出ておらず、底割れの可能性も残っている。仮に前述の安値を割り込んだ場合、一代
安値の63.73ドルが下値目標となろう。本稿執筆時の14日午後には66ドル台後半
で推移している。
材料的には、トランプ政権が仕掛けた報復関税合戦が今後の貿易摩擦、需要減退懸念
を引き起こして、原油相場にも暗い影を落としている。後述するように、国際エネルギ
ー機関(IEA)が月報で供給過剰見通しを示すなど、需給見通しもより弱気なもの変
化してきた。
前回の当欄で記したように、米国の最大の原油輸入元はカナダだが、そのカナダのウ
ィルキンソン・エネルギー天然資源相が11日、「事態が悪化すれば、米国に対する原
油輸出の制限といった関税以外の措置を講じる可能性がある」と述べた。カナダはすで
にアジア向けの原油輸出を拡大する意向との観測も出ている。
一方、これに対して米国の反応としては、ライト・エネルギー長官が10日、4月に
カナダ産原油に対する関税を免除する可能性があるという認識を示した。
また石油業界も危機感を強めており、米国石油協会(API)によると、17日から
の週に米国の石油生産業者幹部がトランプ大統領に面会するという。それを受けたトラ
ンプ大統領の反応に注意したい。
ウクライナとロシアの一時停戦期待が浮上しているのも弱材料。ウクライナによるロ
シアのエネルギー施設攻撃で、ロシアの原油や石油製品の供給に問題が生じているもの
の、現時点ではほとんど買い材料になっていない。
外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は完全に崩れてしまった。さらに下落
して4万ドル台に突入している。目先は4万ドル台を維持できるのか否かが焦点となっ
ている。
ドルインデックスは3月に入ってからの急落も103ポイント台を割り込まずに下げ
渋り模様となり、直近はやや戻している。
【今年世界石油需要の日量60万バレルの供給過剰=IEA月報】
発表物では、12日の石油輸出国機構(OPEC)の月報では、今年、来年ともに世
界の石油需要の伸びが前月から据え置きとなり、それぞれ日量145万バレル、同
143万バレルとなった。
また13日の国際エネルギー機関(IEA)の月報では、今年の世界の石油需要の伸
びが同100万バレルと、前月の同110万バレルから下方修正された。また同60万
バレルの供給過剰となる見込みで、OPECプラスの増産が計画通り実行されると、さ
らに同40万バレル過剰となる可能性があるという。
【東京原油のテクニカル分析】
東京原油の6番限である8月限は結局、6万円台を割り込みまずに下降中のボリンジ
ャーバンドのー2シグマ(5万9910万円辺り)から−1シグマ(6万2470円辺
り)へ戻す展開。ただ上げ幅は大きくなく、底入れ感はない。
【NY原油、ブレント原油のテクニカル】
ニューヨーク原油5月限は65ドルの節目に支持される形で上昇して、下降中のボリ
ンジャーバンドのー1シグマ(66.65ドル辺り)に近辺まで戻している。
ブレント原油5月限も同様の反発となり、70ドルの節目やそれに近いボリンジャー
バンドのー1シグマ(70.20ドル辺り)を挟んだ値動きとなっている。
<当面の予定>
17日【経済】中国住宅価格指数 2025年2月(国家統計局)
【経済】中国小売売上高 2025年2月(国家統計局)
【経済】中国鉱工業生産 2025年2月(国家統計局)
【経済】英住宅価格指数 2025年3月(ライトムーブ)
【経済】米小売売上高 2025年2月(商務省)
【経済】米製造業景況指数 2025年3月(ニューヨーク連銀)
【経済】米企業在庫 2025年1月(商務省)
18日【経済】第3次産業活動指数 2025年1月(経済産業省)
【経済】ユーロ圏貿易収支 2025年1月(EUROSTAT)
【経済】独景況感指数 2025年3月(ZEW)
【経済】米住宅着工・許可件数 2025年2月(商務省)
【経済】米輸出入物価指数 2025年2月(労働省)
【経済】米鉱工業生産・設備稼働率 2025年2月(FRB)
【経済】米連邦公開市場委員会(FRB)
【工業】米週間石油統計(API)
19日【経済】機械受注 2025年1月(内閣府)
【経済】貿易収支 2025年2月速報(財務省)
【経済】鉱工業生産指数 2025年1月確報(経済産業省)
【経済】小売業販売額 2025年1月確報(経済産業省)
【経済】総裁記者会見(日本銀行)
【経済】金融市場調節方針公表(日本銀行)
【工業】ゴム指定倉庫在庫(大阪取引所)
【工業】原油・石油製品供給統計週報(石油連盟)
【工業】石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁)
【経済】ユーロ圏消費者物価指数 2025年2月確報(EUROSTAT)
【経済】米住宅ローン申請指数(MBA)
【経済】米FOMC声明文公表(FRB)
【経済】米対米証券投資 2025年1月(財務省)
【経済】米連邦公開市場委員会(FRB)
【工業】米週間石油統計(EIA)
20日【休日】春分の日
【経済】独生産者物価指数 2025年2月(連邦統計庁)
【経済】英雇用統計 2025年2月(国立統計局)
【経済】英政策金利公表(BOE)
【経済】英金融政策委員会議事録 3月19日分(BOE)
【経済】米経常収支 2024年10-12月期(商務省)
【経済】米新規失業保険申請件数(労働省)
【経済】米製造業景況指数 2025年3月(フィラデルフィア連銀)
【経済】米景気先行指数 2025年2月(カンファレンスボード)
【経済】米中古住宅販売統計 2025年2月(全米不動産協会)
【農産】米週間穀物輸出成約高(USDA)
【納会】米WTI原油 2025年4月限(NYMEX)
21日【経済】消費者物価指数 2025年2月(総務省)
【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 3月9日-3月15日(財務省)
【経済】ユーロ圏国際収支 2025年1月(ECB)
【商品】米建玉明細報告(CFTC)
【工業】全米石油堀削稼動数(米ベーカーフューズ)
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