内外共に200日移動平均線を回復(金相場)

著者:菊川 弘之
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 パウエルFRB議長は雇用と物価の両面で進展があったとし、テーパリング開始まで市場との対話を十分に重ねる意向を示し、開始の時期は今後の経済データ次第で変わると強調し、特定のスケジュールは「決めていない」と語った。

 記者会見で、量的緩和縮小(テーパリング)開始について「今後複数の会合で協議する」と語り、米景気回復の一段の進展には「ほど遠い」との見方も示し、早期にテーパリングに動くとの観測が後退した。

 FOMCを受けて米長期金利は低下し、ドル売り・NY金買いとなり、これまで上値が抑えられていた200日移動平均線を、東京市場に続いてNY市場でも上抜いてきた。

 内外共にダブルボトムは完成しており、マザーマーケットのNY金が、明確に200日移動平均線を越えてくると、JPX金の強気感も増してくる。

 本日(7/30)は、週末・月末の重なる日だが、週足終値ベースで、52週移動平均線を上抜くことができるか否かにも注目したい。

 内外共に、200日移動平均線に続いて、52週移動平均線を上抜いてくると、8月相場は、より強気感が増すスタートとなる。8月の月間騰落傾向を振り返ると、5分5分であるものの、直近の10年間は買い有利の時間帯でもある。

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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