[Vol.1062] 金(ゴールド)を手元に置く理由[6]

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反落などで。66.31ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反落などで。1,805.15ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年01月限は14,400元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年10月限は422.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで793.55ドル(前日比1.35ドル拡大)、円建てで2,775円(前日比0円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(8月24日 18時42分頃 先限)
6,355円/g 白金 3,580円/g
ゴム 218.0円/kg とうもろこし 34,210円/t

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「金(ゴールド)を手元に置く理由[6]」

前回は「金(ゴールド)を手元に置く理由[5]」として、日本の状況を、政府最終支出の側面から確認します。

今回は「金(ゴールド)を手元に置く理由[6]」として、数十年後に高齢者になる世代に資産を託す際の、託し方の一例を述べます。

運用益をどのように子供に託せばよいのでしょうか。「贈与」の手段ということですが、長期的に毎年、金100グラムバーを贈与するのが一つのアイデアであると、筆者は考えています。

金(ゴールド)には「価値の保全」機能があるため、価値がゼロにならないだけでなく、金(ゴールド)を親から受け取った子が、(不要であれば)また子に渡すこともできます。

また、不動産と異なり固定資産税がかからない、投資になじみがない人でも実感がわく、魅惑の光を放って輝いているなどの特徴があります。これらは、託す資産に金地金(ゴールドバー)を選ぶ確固たる動機になると思います。

以前の「金(ゴールド)を手元に置く理由[1]」で述べた通り、保管の仕方、盗難防止策の講じ方など、事前に考慮すべき点はあります。運用する対象に万能な商品がないのと同じで、託す資産にも万能なものはないわけです。メリット、デメリットを調べながら、ご検討いただくのが良いと思います。

図:託すもの、託し方の例


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。