原油反発。米主要株価指数の反発などで。82.33ドル/バレル近辺で推移。
金反落。米10年債利回りの反発などで。1,825.40ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年01月限は13,925元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年12月限は524.9元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで768.85ドル(前日比0.85ドル拡大)、円建てで2,793円(前日比10円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(11月9日 17時59分頃 6番限)
金 6,610円/g 白金 3,817円/g
ゴム 220.5円/kg とうもろこし 37,950円/t
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「「サウジ1,000万バレル増産」報道」
前回は、「4つの重要イベントと3つのテーマ」として、先週(10月31日から11月5日まで)行われた重要イベントを振り返りました。
今回は、「「サウジ1,000万バレル増産」報道」として、前回示した、先週実施された4つの重要イベントを結びつける3つのテーマの中から、「原油」について、書きます。
3つのテーマ(原油、脱炭素、米国の金融政策)の1つ、「原油」について考えます。OPEC・非OPEC閣僚会議の日、「サウジが原油生産量を日量1,000万バレルまで引き上げる」という、報道が流れ、原油相場が一時、急落しました。
かねてから日本や米国などが要請していた追加の増産を、サウジが実現してくれる、というムードが強まったためです。しかし、その報道は、半日程度経過すると、誤解だったことが市場に伝わり、再び、原油相場は反発し始めました。
下図のとおり、12月はサウジだけではなくロシアも、「日量1,000万バレル」を生産量の上限とすることができるようになります。この「日量1,000万バレル」は、夏以降、毎月日量10万バレル強、計画的に生産量を増加させてきた延長線上にある量です。
「サウジが要求をのんだ」「1,000万バレルとは、すごい量だ」などの思惑が広がるのも分からなくはありませんが、実態としては、計画的な生産増加の流れでそうなった、という話でした。
ある主要メディアは、計画的な生産増加による上限1,000万バレル到達を、日米などの追加増産要請に対する「ゼロ回答」としました。確かにそのとおりです。サウジは消費国の要求をのんでいません。(こうしてOPECプラスから過剰な増産がなされない点は、原油相場の高止まり・上昇要因です)
バイデン米大統領が、G20でOPECプラスの主要産油国らに対し、「追加増産」を要請しましたが、同じ週の木曜日に「ゼロ回答」が返ってきたわけです。かえって、このことがきっかけとなってか、逆にOPECプラスは米国に対して「増産」を提案したと報じられています。
その米国の原油生産量は、昨年の新型コロナショック後、原油生産量は減少したまま、回復していません。ハリケーン襲来による短期的な減少・停滞の影響ではなく、1年以上、回復していない状況が続いています。
昨年春に発生した原油相場の急落時に、複数のシェール企業が破綻し、それ以降、開発が鈍化しています。以前の「景気停滞+物価上昇、原油と金(ゴールド)は、次の大台へ向けて上昇へ!?」で述べた通り、米シェール主要地区の開発関連指標は、原油価格の反発に大きく遅れをとっています。
米国は、温室効果ガスの削減目標を上乗せしたり、他国にさらなる削減を呼びかけたりするなど、「脱炭素」を強力に推進しています。その米国の石油開発が活発化していた場合、他国にはどう映るでしょうか。はたから見れば、自己矛盾に陥っているように見えるでしょう。
「脱炭素」を強力に推進するからこそ、増産をしない(できない)のだと、考えられます。このように考えれば、OPECプラスが米国にした「増産」の提案も、実現する可能性は低いと言えるでしょう。(この点もまた、原油相場の高止まり・上昇要因です)
次回以降、3つのテーマの1つ、「脱炭素」について書きます。
図:サウジとロシアの原油生産量の上限
出所:OPECの資料をもとに筆者作成
金反落。米10年債利回りの反発などで。1,825.40ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年01月限は13,925元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年12月限は524.9元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで768.85ドル(前日比0.85ドル拡大)、円建てで2,793円(前日比10円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(11月9日 17時59分頃 6番限)
金 6,610円/g 白金 3,817円/g
ゴム 220.5円/kg とうもろこし 37,950円/t
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「「サウジ1,000万バレル増産」報道」
前回は、「4つの重要イベントと3つのテーマ」として、先週(10月31日から11月5日まで)行われた重要イベントを振り返りました。
今回は、「「サウジ1,000万バレル増産」報道」として、前回示した、先週実施された4つの重要イベントを結びつける3つのテーマの中から、「原油」について、書きます。
3つのテーマ(原油、脱炭素、米国の金融政策)の1つ、「原油」について考えます。OPEC・非OPEC閣僚会議の日、「サウジが原油生産量を日量1,000万バレルまで引き上げる」という、報道が流れ、原油相場が一時、急落しました。
かねてから日本や米国などが要請していた追加の増産を、サウジが実現してくれる、というムードが強まったためです。しかし、その報道は、半日程度経過すると、誤解だったことが市場に伝わり、再び、原油相場は反発し始めました。
下図のとおり、12月はサウジだけではなくロシアも、「日量1,000万バレル」を生産量の上限とすることができるようになります。この「日量1,000万バレル」は、夏以降、毎月日量10万バレル強、計画的に生産量を増加させてきた延長線上にある量です。
「サウジが要求をのんだ」「1,000万バレルとは、すごい量だ」などの思惑が広がるのも分からなくはありませんが、実態としては、計画的な生産増加の流れでそうなった、という話でした。
ある主要メディアは、計画的な生産増加による上限1,000万バレル到達を、日米などの追加増産要請に対する「ゼロ回答」としました。確かにそのとおりです。サウジは消費国の要求をのんでいません。(こうしてOPECプラスから過剰な増産がなされない点は、原油相場の高止まり・上昇要因です)
バイデン米大統領が、G20でOPECプラスの主要産油国らに対し、「追加増産」を要請しましたが、同じ週の木曜日に「ゼロ回答」が返ってきたわけです。かえって、このことがきっかけとなってか、逆にOPECプラスは米国に対して「増産」を提案したと報じられています。
その米国の原油生産量は、昨年の新型コロナショック後、原油生産量は減少したまま、回復していません。ハリケーン襲来による短期的な減少・停滞の影響ではなく、1年以上、回復していない状況が続いています。
昨年春に発生した原油相場の急落時に、複数のシェール企業が破綻し、それ以降、開発が鈍化しています。以前の「景気停滞+物価上昇、原油と金(ゴールド)は、次の大台へ向けて上昇へ!?」で述べた通り、米シェール主要地区の開発関連指標は、原油価格の反発に大きく遅れをとっています。
米国は、温室効果ガスの削減目標を上乗せしたり、他国にさらなる削減を呼びかけたりするなど、「脱炭素」を強力に推進しています。その米国の石油開発が活発化していた場合、他国にはどう映るでしょうか。はたから見れば、自己矛盾に陥っているように見えるでしょう。
「脱炭素」を強力に推進するからこそ、増産をしない(できない)のだと、考えられます。このように考えれば、OPECプラスが米国にした「増産」の提案も、実現する可能性は低いと言えるでしょう。(この点もまた、原油相場の高止まり・上昇要因です)
次回以降、3つのテーマの1つ、「脱炭素」について書きます。
図:サウジとロシアの原油生産量の上限
出所:OPECの資料をもとに筆者作成