FOMC(インフレ対策に軸を移行)を受けた金相場見通し

著者:菊川 弘之
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 今回は、「金星逆行期」直前の14日~15日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、量的緩和の縮小(テーパリング)加速決定に加え、来年の利上げ見通しが示された。

 前回FOMCで決めたテーパリングの終了時期を当初想定より3ヶ月早めた。米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の計1200億ドルの購入月額を計150億ドルずつ減らす計画だったが、22年1月から削減額を2倍の計300億ドルとし、同3月に購入額をゼロにする。中期の経済・政策見通し(SEP)では、22年にゼロ金利を解除し、計3回利上げするとの予想が中央値となった。

 欧米の中央銀行が金融政策の正常化に向かって前進したことで、クリスマス休暇で薄商いが予想される中、改めて出口戦略を嫌気する動きには注意だ。NYダウよりもナスダックのチャート形状の悪化が気になるところだ。日経225も日銀金融政策決定会合の「コロナ対応策見直し」のヘッドラインを嫌気した動きも見られる。

 「金星逆行期」が開始する12月19日は、波乱が起きやすい「満月」でもある。

 欧米のクリスマス休暇入りを控えた薄商い下で、改めて金利引き上げ前倒しを織り込む動きが見られるかもしれないが、過去の米利上げ局面では、利上げを嫌気した安値が中長期的な買い場になっている例が多く、2022年は政治相場や地政学リスクも懸念されることから、金の安値売り込みは避け、押し目買い戦略を継続したい。

 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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