[Vol.1182] NY金1,900ドル到達の背景をおさらい

著者:吉田 哲
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原油反発。ウクライナ情勢の悪化などで。94.28ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反発などで。1,902.30ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年05月限は13,990元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年04月限は596.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで817.55ドル(前日比5.45ドル縮小)、円建てで3,051円(前日比12円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(2月22日 18時40分頃 6番限)
7,003円/g 白金 3,952円/g
ゴム 258.7円/kg とうもろこし 43,730円/t

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「NY金1,900ドル到達の背景をおさらい」

前回は、「国内金(ゴールド)史上最高値更新!」として、2022年2月21日に史上最高値を更新した、国内金先物の価格推移に注目しました。

今回は、「NY金1,900ドル到達の背景をおさらい」として、足元、NY金の価格が上昇している背景について書きます。

各種報道では、NY金の1,900ドル到達の主な要因は、「ウクライナ情勢の悪化による、資金の逃避先需要の増加」、「世界的なインフレ(物価高)による資産保全需要の増加」などとされています。

確かにその点もあると思いますが、筆者は現在の金(ゴールド)市場の環境を、以下のようにとらえています。要因は一つではない、下落要因も存在する、それぞれの要因の時間軸は同一でない、などに留意する必要があります。

目立つ材料(ウクライナ情勢とインフレ)だけが、金(ゴールド)相場を押し上げているのではないことに留意することで、今を正しく理解でき、かつ今後の相場動向を展望する際のアイデアの幅が広がります。

図:足元の金(ゴールド)市場の環境


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。