[Vol.1184] 原油、金、急騰も、侵攻報道前の水準まで一旦下落

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。94.88ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。1,913.55ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年05月限は14,045元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年04月限は614.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで848.55ドル(前日比18.9ドル縮小)、円建てで3,184円(前日比67円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(2月25日 13時41分頃 6番限)
7,069円/g 白金 3,885円/g
ゴム 262.9円/kg とうもろこし 44,260円/t

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「原油、金、急騰も、侵攻報道前の水準まで一旦下落」

前回は、「昨年末の金価格予想が現実味を帯びる」として、以前に書いた2022年の金価格の予想を確認しました。

今回は、「原油、金、急騰も、侵攻報道前の水準まで一旦下落」として、ロシア軍のウクライナ侵攻の報道を受けた、原油と金(ゴールド)相場について、書きます。

日本時間2月24日(木)昼前、国内外の主要メディアが、ロシア軍がウクライナの軍事施設にミサイル攻撃を行ったと報じました。この時間帯を機に、原油相場は供給減少懸念、金(ゴールド)相場は資金の逃避先需要増加などを背景に、大きく上昇し始めました。

欧州時間に入り(日本時間夕方)、上昇の勢いが増し、原油(WTI原油先物 期近)は2014年7月以来、7年7カ月ぶりに100ドルに到達。金(ゴールド)は1,970ドルを突破しました。

しかし、米国時間は原油、金(ゴールド)ともに、大きく下落しました。米国時間終盤(日本時間 翌25日(金)未明)には、原油は「侵攻」報道が出始めた時間帯の水準をやや下回る92ドル前後、金は同水準を大きく下回る1,880ドル前後となりました。

原油も金(ゴールド)も、このおよそ24時間で、急騰・急落を演じたわけです。足元、アジア時間に入り(原稿執筆時点 25日午後2時)、原油は94ドル前後、金は1,914ドル前後まで、反発しています。

図:WTI原油先物の価格推移(期近 15分足) 単位:ドル/バレル


出所:ミンカブ・ジ・インフォノイドの資料をもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。