[Vol.2021] ガソリン暫定税率の動向に注目集まる

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。65.78ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。3,391.55ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。25年09月限は15,065元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。25年09月限は505.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1953.5ドル(前日比16.20ドル縮小)、円建てで9,842円(前日比13円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(7月28日 17時42分時点 6番限)
16,032円/g
白金 6,190円/g
ゴム 327.3円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY原油先物 月足 単位:ドル/バレル
NY原油先物 月足 単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「ガソリン暫定税率の動向に注目集まる」
前回は、「インフレ対策としてのコモディティ指数」として、主要なコモディティの価格推移を、確認しました。

今回は、「ガソリン暫定税率の動向に注目集まる」として、2025年7月のガソリン小売価格 補助なし・あり(筆者推定)を、確認します。

7月20日に行われた参議院議員選挙では、物価高対策が大きなテーマとなりました。こうした中、暫定税率の廃止によってガソリンの小売価格を大幅に下げることを目指す政党に関心が集まりました。ガソリンの小売価格を下げることは大変に重要です。では、その策は暫定税率の廃止だけなのでしょうか。

レギュラーガソリンの小売価格(全国平均・税込)の推移を確認すると、足元、2000年以降の最高水準で推移していることがわかります。

また、7月の参議院議員選挙の際に話題になった「ガソリンの暫定税率」が一時的に失効した形跡を確認することができます。2008年4月のおよそ一カ月間、25.1円の同税率が失効してガソリン税が53.8円から28.7円になりました。

以下は2025年7月時点のガソリン小売価格(補助なし・あり)の推定値です。燃料油価格激変緩和対策事業の一環として、2025年5月から段階的にはじまった定額引下げ、6月からはじまった予防的な激変緩和措置により、全体としておよそ11.0円安くなっています(184.5円→173.5円)。

7月の参議院議員選挙の結果を受けて再び議論が加速し始めた「ガソリンの暫定税率の廃止」が現実になった場合、補助金なしの額から25.1円、差引かれることになります。

日本では、あの手この手で、ガソリン小売価格を下げる策が検討・実施されています。ただし、一歩引いて見ると、ガソリン小売価格を下げる策はこれだけではないことが、わかります。

図:2025年7月のガソリン小売価格 補助なし・あり(筆者推定) 単位:円/リットル
図:2025年7月のガソリン小売価格 補助なし・あり(筆者推定) 単位:円/リットル
出所:資源エネルギー庁、財務省のデータより筆者推定

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。