ゴールデンウィークの波乱に備えたい(NY金・ドル円)

著者:菊川 弘之
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 NY金(6月限)が、強弱の分岐点に差し掛かってきた。20日間安値を更新し、心理的節目1900ドルを維持できるか否かが焦点だ。

 1月安値~3月高値までの上昇に対する61.8%押しを達成し、早々に1900ドルを回復できれば、3月以降続いているレンジ相場(1900~2000ドル)が継続するだろう。

 一方、20日間安値を割り込んでおり、早々に1900ドルを回復できないと、トレンドフォロー型の追撃売りが出やすい。200日移動平均線(1837.4ドル)~心理的節目1850ドルの下値支持帯を試す動きも想定される。

 ボリンジャーバンドでは-1σを維持できず、下げ加速。-2σを抜けたが、%Bがクロスしかかっており、逆張りではなく、順張りでのバンドウォークを形成する可能性も想定されるチャート形状だ。

 NY金が重要な強弱の攻防戦に差し掛かる局面で、日本のゴールデンウィーク(GW)を迎える。過去、GW中のマーケットが荒れたことが記憶に残るが、NY金と逆相関の強いドル円の「GANNのアニバーサリーデイト」が集中する今年の4月末~5月には、日銀金融政策決定会合(4/28)、FOMC(5/3-4)、ロシア・ウクライナ戦争の節目(停戦含)となる可能性のある「ロシア対独戦勝記念日」(5/9)など重要イベントが相次ぎ、5月末には、株式と債券の評価損益を日銀が「事業年度の決算等」で公表予定だ。

 「GANNのアニバーサリーデイト」とは、過去に大きな値動きがあったり、節目になった時間帯に相場が大きく動くことがある、というものだ。聖書の「かつてあったことはこれからもあり、かつて起ったことはこれからも起こる。太陽の下、新しいものは何ひとつない。見よ、これこそ新しいと言ってみても、それもまた永遠の昔からあり、この時代の前にもあった。」との一説にヒントを得たと言われる。

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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