ゴールデンウィークの波乱に備えたい(NY金・ドル円)

著者:菊川 弘之
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 聖書だけでなく、古代ギリシア以来続く数秘術・神秘学・占星術にも研究の目を向けたGANNだが、「相場は、時間と価格の関数である」としたGANNは、日柄・サイクルも重視し、トップやボトムを見つける方法の一つに、価格と時間の一致(均衡)を考えていた。週足以上のサイクルを分析し、トレンドを決定した上で、参入タイミングをアニバーサリーデイトで検討していた模様だ。

 2000年以降、金は長期上昇トレンドを形成中だ。足もとはFOMCを受けた金利上昇・ドル高などを嫌気して調整が入る可能性はあるものの、テクニカル面での売り圧力が高まって付けた安値は、長期的な買い場となるだろう。

 NY金が、GW連休中に大きく下げるような局面があっても、慌てないようにしたい。そのような安値が出た場合、長い下ヒゲや、長大陽線などのチャート上の底打ちパターンを確認後、改めて買い場を探る戦術を考えたい。5月10日~6月3日は、アストロロージで金融市場に短期で急激な上下動が起こり、テクニカル的なダマシが出やすいとされる「水星の逆行」の時間でもある。

 景気回復期待からの株高と共に金利が上昇する「良い金利上昇」ならドル建て金は下落圧力を受けるが、インフレが長期化する中、米が利上げと合わせてQTを実施すると、金融市場には2重の引き締め圧力がかかり、株価下落を招く「悪い金利上昇」が意識され、NY金にとっては、強気要因となるだろう。

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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