[Vol.1249] 王道の純金・裏道のプラチナ。積立になじむ

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。116.13ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,868.80ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所) 端午節のため休場。

上海原油(上海国際能源取引中心) 端午節のため休場。

金・プラチナの価格差、ドル建てで848.85ドル(前日比1.5ドル拡大)、円建てで3,637円(前日比12円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(6月3日 大引け 6番限)
7,776円/g
白金 4,139円/g
ゴム 259.8円/kg
とうもろこし 52,640円/t
LNG 4,150.0円/mmBtu(22年6月限 4月7日午前8時59分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「王道の純金・裏道のプラチナ。積立になじむ」

前回は、「「プラチナ積立」も超長期視点で価格反発を享受」として、[Vol.1246]で述べた積立投資を効率化させる必須条件がプラチナに当てはまるかを確認しました。

今回は、「王道の純金・裏道のプラチナ。積立になじむ」として、前回までの4回で述べた、積立投資を効率化させる必須条件と金(ゴールド)とプラチナの市場環境を関係をまとめます。

金(ゴールド)とプラチナの市場環境と、積立投資効率化の必須条件をまとめると以下のようになります。金(ゴールド)とプラチナはともに、将来的に、積立投資を効率化させるための二つの必須条件を満たす可能性があると言えるでしょう。

また、純金積立とプラチナ積立は実物資産への直接的な投資です(星の数ほどある金融商品の中で、これらは実物を購入する行為である「買い物」に最も近いと筆者は考えている)。

このため、資産の価値がゼロ円になる可能性は、倒産リスクや発行体リスク、償還リスクがある個別株や投資信託、ETFなどに比べれば、非常に低いと言えるでしょう(人類が金(ゴールド)とプラチナに価値はないとみなせば、ゼロになる)。

この点も、金(ゴールド)、プラチナが超長期を前提に取り組む、積立投資になじむ理由の一つです(実物資産ゆえの強み。しかし金利が付かないデメリットもある)。

今後も、さまざまな不安が存在することで注目を集める可能性がある、きらびやかな金(ゴールド)は積立投資の王道として、まだしばらく、価格が上がらず我慢を強いられても、いつか日の目を見そうなプラチナは積立投資の裏道(王道との対比)として、ともに超長期視点で、投資家の皆さまのポートフォリオを豊かにしてくれると、筆者は考えています。

超長期を前提に、金(ゴールド)とプラチナの特性を生かしつつ、貴金属の積立投資を資産運用・資産形成のお供に加えてみることをご検討いただいては、いかがでしょうか。

図:金(ゴールド)・プラチナと、積立取引効率化の条件


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。