[Vol.1250] OPEC増産報道で急騰した原油と石油株

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。119.52ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。1,853.80ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年09月限は13,350元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年07月限は750.2元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで822.45ドル(前日比11.35ドル縮小)、円建てで3,567円(前日比30円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(6月6日 17時13分頃 6番限)
7,762円/g
白金 4,195円/g
ゴム 262.9円/kg
とうもろこし 54,960円/t
LNG 4,150.0円/mmBtu(22年6月限 4月7日午前8時59分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「OPEC増産報道で急騰した原油と石油株」

前回は、「王道の純金・裏道のプラチナ。積立になじむ」として、前々回までの4回で述べた、積立投資を効率化させる必須条件と金(ゴールド)とプラチナの市場環境を関係をまとめました。

今回は、「OPEC増産報道で急騰した原油と石油株」として、6月2日に行われたOPEC・非OPEC閣僚会合前後の原油相場の推移、その後の石油株の推移について、書きます。

以下のとおり、6月2日夜(日本時間)のOPEC・非OPEC閣僚会議が行われた時間帯に、原油相場は大きく上昇しました。(およそ2時間で4%以上も上昇)

主要メディアを通じて伝え漏れてきたのは「増産決定」でした。「OPECが増産を決めれば原油価格は下がる」という常識は、もはや過去の遺物となってしまったのでしょうか。

原油相場が急騰した6月2日から3日にかけて、米国の石油株の代表格であるエクソンモービルは1.5%、シェブロン0.9%、オクシデンタル・ペトロリアムは1.4%。国内株式市場ではINPEX(1605)が2.5%、出光興産が1.3%、上昇しました。

次回以降、「OPEC増産」でなぜ、原油価格が上昇したのか? OPECプラスが今、どのような状況にあるのか? OPECプラスを牛耳るロシアの弱点とはなにか? など、OPECプラスに関わる要点をまとめます。

図:NY原油先物(期近 15分足) 単位:ドル/バレル


出所:ミンカブ・ジ・インフォノイドの資料をもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。