[Vol.1321] プラチナ「今安く・今後高くなる可能性がある」

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反落。米主要株価指数の反落などで。88.06ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,696.95ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。23年01月限は12,905元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年11月限は675.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで793.25ドル(前日比10.45ドル縮小)、円建てで3,777円(前日比26円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(9月15日 17時14分頃 6番限)
7,765円/g
白金 3,988円/g
ゴム 226.6円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NYプラチナ先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス
NYプラチナ先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「プラチナ『今安く・今後高くなる可能性がある』」

前回は、「『忍耐』と『プラチナ積立』に緊密な関係あり」として、積立投資のヒントを、確認しました。

今回は、「プラチナ『今安く・今後高くなる可能性がある』」として、プラチナの長期視点の価格推移を、確認します。

効率の良い積立投資を行うために必要なことは、「今安く・今後高くなる可能性がある」銘柄を選択することです。「今安い」ことは、数量を効率的に増やすことに貢献し、「今後高くなる」ことは、増やした数量を効率的に収益化することに貢献するからです。

「数量」が重要視される積立投資に、「今高い」銘柄はなじみません。「今高い」と、効率的に数量を増やせなくなるだけでなく、収益化の難易度が上がってしまうためです。(向こう数十年間、史上最高値を更新し続ける銘柄など、あるのでしょうか?)

積立投資をするのであれば、「今安く・今後高くなる可能性がある」銘柄を探すことが賢明でしょう。

その意味では、2015年に発覚したドイツ自動車大手フォルクスワーゲン社のスキャンダルをきっかけに、一部で需要は増えないと強く認識され、近年は価格が低位で推移している(今安い)一方、「脱炭素」をきっかけに、これまでにない新しい需要が増加し、長期視点で価格が高くなることが予想されるプラチナは、まさに、積立投資に適していると言えるでしょう。

以下のグラフのとおり、「脱炭素」を背景に、長期視点で、プラチナ相場の変動領域は現在よりも高くなると考えています。

図:プラチナ価格の推移 単位:ドル/トロイオンス
図:プラチナ価格の推移 単位:ドル/トロイオンス

出所:世界銀行のデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。