[Vol.1938] プラチナがジャイ・キリできたわけ

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。69.46ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。3,075.90ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。25年05月限は16,975元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年05月限は540.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2107.75ドル(前日比24.75ドル拡大)、円建てで10,158円(前日比30円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月27日 17時04分時点 6番限)
14,778円/g
白金 4,620円/g
ゴム 356.9円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,097円/mmBtu(25年7月限 3月21日17時47分時点)

●NYプラチナ先物 月足  単位:ドル/トロイオンス
NYプラチナ先物 月足  単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「プラチナがジャイ・キリできたわけ」
前回は、「価格推移によってはジャイ・キリできる」として、前々回述べたシミュレーションの結果を確認しました。

今回は、「プラチナがジャイ・キリできたわけ」として、前々回より述べているシミュレーションの累積保有数量を確認します。

なぜ、弱者のプラチナが強者の金(ゴールド)を打ち負かすことができたのでしょうか。理由はいたってシンプルです。「保有数量を効率よく獲得し、それを効率よく収益化できたため」です。

以下のグラフは、この期間の累積保有数量の推移です。最終的な保有数量は、プラチナが約213グラム、金(ゴールド)が約82グラムとなり、2.5以上の差が生じました。この2.5倍の差が生じた保有数量が、最終的な資産の額を大きく(大きく)左右したのです。

前々回と前回、今回で述べたシミュレーションから言えることは、次の二点です。そもそもはじめから安い銘柄を選択することで、効率よく保有数量を増加させることができること、長期視点で価格上昇が望める銘柄を選択することで、積み上げた保有数量を効率的に収益化できることです。

裏を返せば、「すでに高い」かつ「長期視点で価格上昇が望めない」銘柄は、積立投資に適さないと言えます。こうした銘柄は、保有数量を効率的に増やすことができないだけでなく、最終的に収益化ができない恐れがあります。

図:累積保有数量のシミュレーション 単位:グラム
図:累積保有数量のシミュレーション 単位:グラム
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。