[Vol.1340] エネルギー価格、2020年比最大8倍

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。85.03ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。1,659.05ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。23年01月限は12,840元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。22年12月限は671.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで750.25ドル(前日比3.75ドル縮小)、円建てで3,717円(前日比1円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(10月17日 17時08分頃 6番限)
7,882円/g
白金 4,165円/g
ゴム 230.4円/kg
とうもろこし 51,270円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「エネルギー価格、2020年比最大8倍」

前回は、「世界を出し抜くOPECプラス」として、OPECプラスの減産に関する主な報道について、述べました。

今回は、「エネルギー価格、2020年比最大8倍」として、各種コモディティ指数の推移を確認します。

以下のグラフのとおり、IMF(国際通貨基金)が公表するエネルギー指数は、異常値とも言える域に達しています(原油、天然ガス、石炭およびプロパンの国際指標になり得る複数の価格を指数化したもの)。統計で確認できる1992年以降の、最高水準です。

こうした現状を目の当たりにし、筆者は一度、エネルギー市場を取り巻く環境を網羅的に整理したいと考えました。日々目にするニュースだけでは視点が部分的になり、全体像が見えないまま、分析を行うことになってしまうためです。

グローバル社会ゆえ、ほとんどの材料(価格の変動要因)はつながっています。こうしたつながりを、確認しなければなりません。また、そのつながりを理解するための基礎知識を確認しなければなりません。そして、需給構造を根底から変え得る政治的・政策的な背景をも確認しなければなりません。

今回から複数回にわたり、足元のエネルギー市場を取り巻く環境、主要なエネルギー生産国、エネルギー供給における「中流」などの基礎知識、シェール革命が現在の米国にもたらしている政治的影響や原子力を含んだエネルギー利用の実態などについて、書きます。

エネルギー市場で起きている大小さまざまな事象を把握することができ、かつ今後の価格動向を考えるための糸口が見つかり、投資行動の幅が広がることが期待できます。

図:コモディティ(商品)指数の推移 2016年=100
図:コモディティ(商品)指数の推移 2016年=100

出所:IMF(国際通貨基金)のデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。