原油反発。中東情勢の悪化などで。62.88ドル/バレル近辺で推移。
金反発。ドル指数の反落などで。3,308.34ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。25年09月限は14,820元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年07月限は470.1元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2257.74ドル(前日比28.54ドル拡大)、円建てで10,728円(前日比32円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(5月21日 17時02分時点 6番限)
金 15,410円/g
白金 4,682円/g
ゴム 320.2円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,097円/mmBtu(25年7月限 3月21日17時47分時点)
●NY原油先物 日足 単位:ドル/バレル

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「サウジが持つ『二つの顔』」
前回は、「産油国の方針は『増産』と『減産』どちら?」として、自主減産実施8カ国の原油生産量を確認しました。
今回は、「サウジが持つ『二つの顔』」として、サウジアラビアの西側の顔と産油国の顔を確認します。
なぜOPECプラスは、協調減産を継続しつつ、自主減産の縮小を同時に行っているのでしょうか。OPECプラス内のOPEC側のリーダー格で、減産の方針の決定に深く関わっているサウジを取り巻く環境を確認します。
サウジには「二つの顔」があります。「西側の顔」と「産油国の顔」です。「西側の顔」とは、西側、つまり米国や欧州、日本などの自由度・民主度が高い国々の考え方に合わせる顔です。特に米国とのつながりを重視し、米国から武器を購入したりして、中東地域での影響力を維持しようとしています。
一方、「産油国の顔」とは、OPECプラスのリーダーとして影響力を維持しようとする顔です。「OPECの盟主」と呼ばれた以前の状況を目指す顔です。産油国という共通点を持ちつつ、紛争に関わるロシアやイランなどの国々と、コミュニケーションをとる場面もあります。
二つの顔はそれぞれ、原油価格の動向について、どのように考えているでしょうか。「西側の顔」のサウジは下落してもよい、「産油国の顔」のサウジは上げたいと考えているでしょう。この点が、自主減産を縮小していることと、協調減産を継続していることの理由です。
サウジがこうした「二つの顔」を持ち始めたタイミングは、2010年ごろからだった可能性があります。サウジを取り巻く環境が大きく変化したタイミングが2010年ごろだったためです。
国際通貨基金(IMF)が推計・公表している、財政収支が均衡するために必要な原油価格に、ヒントがあります。サウジでの同原油価格の推移です。
2010年ごろに急激に上昇しました。その後、80ドルから100ドルの間で推移しています(2024年は約90ドル)。財政収支を安定させるために必要な原油価格が上昇したことは、国内で膨大な資金が必要になったことを意味します。
2010年ごろといえば、リーマンショック(2008年)後に、西側諸国がさまざまな新しい技術・考え方を開発・提唱し、世界情勢が急速に変化し始めたタイミングです。このタイミングに、サウジに何が起きたのでしょうか。次回以降、詳細を述べます。
図:サウジアラビアの「二つの顔」

出所:筆者作成 イラストはPIXTA
金反発。ドル指数の反落などで。3,308.34ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。25年09月限は14,820元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年07月限は470.1元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2257.74ドル(前日比28.54ドル拡大)、円建てで10,728円(前日比32円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(5月21日 17時02分時点 6番限)
金 15,410円/g
白金 4,682円/g
ゴム 320.2円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,097円/mmBtu(25年7月限 3月21日17時47分時点)
●NY原油先物 日足 単位:ドル/バレル

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「サウジが持つ『二つの顔』」
前回は、「産油国の方針は『増産』と『減産』どちら?」として、自主減産実施8カ国の原油生産量を確認しました。
今回は、「サウジが持つ『二つの顔』」として、サウジアラビアの西側の顔と産油国の顔を確認します。
なぜOPECプラスは、協調減産を継続しつつ、自主減産の縮小を同時に行っているのでしょうか。OPECプラス内のOPEC側のリーダー格で、減産の方針の決定に深く関わっているサウジを取り巻く環境を確認します。
サウジには「二つの顔」があります。「西側の顔」と「産油国の顔」です。「西側の顔」とは、西側、つまり米国や欧州、日本などの自由度・民主度が高い国々の考え方に合わせる顔です。特に米国とのつながりを重視し、米国から武器を購入したりして、中東地域での影響力を維持しようとしています。
一方、「産油国の顔」とは、OPECプラスのリーダーとして影響力を維持しようとする顔です。「OPECの盟主」と呼ばれた以前の状況を目指す顔です。産油国という共通点を持ちつつ、紛争に関わるロシアやイランなどの国々と、コミュニケーションをとる場面もあります。
二つの顔はそれぞれ、原油価格の動向について、どのように考えているでしょうか。「西側の顔」のサウジは下落してもよい、「産油国の顔」のサウジは上げたいと考えているでしょう。この点が、自主減産を縮小していることと、協調減産を継続していることの理由です。
サウジがこうした「二つの顔」を持ち始めたタイミングは、2010年ごろからだった可能性があります。サウジを取り巻く環境が大きく変化したタイミングが2010年ごろだったためです。
国際通貨基金(IMF)が推計・公表している、財政収支が均衡するために必要な原油価格に、ヒントがあります。サウジでの同原油価格の推移です。
2010年ごろに急激に上昇しました。その後、80ドルから100ドルの間で推移しています(2024年は約90ドル)。財政収支を安定させるために必要な原油価格が上昇したことは、国内で膨大な資金が必要になったことを意味します。
2010年ごろといえば、リーマンショック(2008年)後に、西側諸国がさまざまな新しい技術・考え方を開発・提唱し、世界情勢が急速に変化し始めたタイミングです。このタイミングに、サウジに何が起きたのでしょうか。次回以降、詳細を述べます。
図:サウジアラビアの「二つの顔」

出所:筆者作成 イラストはPIXTA