[Vol.1350] 「脱ロシア」でエネルギー業界が大きく変化

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。86.98ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,638.70ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。23年01月限は11,750元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。22年12月限は679.8元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで705.35ドル(前日比9.65ドル拡大)、円建てで3,540円(前日比19円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(10月31日 17時21分頃 6番限)
7,780円/g
白金 4,240円/g
ゴム 208.1円/kg
とうもろこし 50,470円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「『脱ロシア』でエネルギー業界が大きく変化」
前回は、「エネ価格・関連ETFは長期で高止まりか!?」として、各種主要エネルギーの価格推移を確認しました。

今回は、「『脱ロシア』でエネルギー業界が大きく変化」として、「脱ロシア」がエネルギー業界に与えている影響を確認します。

以下の図は、「脱ロシア」がエネルギー業界に与えている影響を示しています。ウクライナ危機勃発を機に発生した「ロシア制裁」(ロシアに利さないようにすることを目的とした不買などの動き)、そして2010年ごろから西側諸国で盛んになった「脱炭素」(大気中に炭素(C)を排出しないようにする動き)が、相乗効果で影響力が増し、それらが一体となり、「脱ロシア」のムードを強めています。

「脱ロシア」が加速し、エネルギー業界に2つの大きな変化が生じています。一つはEUを支援することを目的とした「米国石油業界の活性化」、もう一つは「非化石燃料の利用・開発の加速」です。

「米国石油業界の活性化」で注目されるキーワードは「MLP(エムエルピー)」(主に米国石油中流部門のインフラを保有・管理し、これらを収入源とする投資事業形態。Master Limited Partnership)、「非化石燃料の利用・開発の加速」で注目されるキーワードは「ウラン」「EV(電気自動車)」などです。

図:「脱ロシア」がエネルギー業界に与えている影響
図:「脱ロシア」がエネルギー業界に与えている影響

出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。