[Vol.1349] エネ価格・関連ETFは長期で高止まりか!?

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。88.09ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,667.85ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。23年01月限は11,990元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年12月限は685.8元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで698.65ドル(前日比1.25ドル縮小)、円建てで3,472円(前日比30円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(10月28日 13時55分頃 6番限)
7,803円/g
白金 4,331円/g
ゴム 211.4円/kg
とうもろこし 49,700円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「エネ価格・関連ETFは長期で高止まりか!?」
前回は、「上流・中流・下流って何?」として、石油・天然ガス産業の「上流・中流・下流」を確認しました。

今回は、「エネ価格・関連ETFは長期で高止まりか!?」として、各種主要エネルギーの価格推移を確認します。

以下は、「[Vol.1347] WTI、ブレント、ヘンリーハブ、TTFって何?」で述べた、「各種主要化石燃料価格の決定拠点」の価格推移です。

基礎知識の一つとして「数量の単位」について述べると、原油の「1バレル」は約159リットルです。(語源はその名の通り「樽(たる)」。昔、石油を樽に入れて持ち運びしていたことから。約159リットルは一人用の浴槽の7~8割くらい)。WTI原油は足元、1バレルあたり85ドル近辺で推移しています。

天然ガスの「1mmbtu(エムエムビーティーユー British thermal unit 英国熱量単位)」は、約27立方メートル(1辺が3メートルの立方体)です。ヘンリーハブは足元、1mmbtuあたり5.4ドル近辺で推移しています。

[Vol.1346] 世界No.1の産油国・産ガス国はどこ?」で「米国」が生産量No.1であると述べました。米国は、生産量こそNo.1ですが、対外的な供給力という意味がある「輸出量」でみると、やや違った見え方になります。原油:1位中東(サウジ除く)21.0%、2位ロシア12.3%、3位米国11.8%、天然ガス:1位ロシア23.6%、2位米国17.5%、3位中東14.0%です(2021年時点 BPの統計より)。

エネルギー市場に「ウクライナ危機」が強く影響していることを考えれば、「買わない西側・出さないロシア」によって起きているロシアの輸出量の減少は、今後も続くことが予想されます。(ウクライナ危機の早期収束は難しいか)

その減少を、米国らがカバーできなければ、「世界全体としての」需給ひっ迫は続き、引いては本レポートで述べた各種エネルギー価格の高止まりが続く可能性があると筆者は考えています。

図:各種主要エネルギー価格の推移(2016年1月から2022年9月)
図:各種主要エネルギー価格の推移(2016年1月から2022年9月)

出所:IMFのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。