[Vol.1371] 「分断」はスポーツの大会だけではない

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。80.31ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,789.85ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。23年05月限は12,805元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年01月限は572.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで741.9ドル(前日比21.3ドル拡大)、円建てで3,362円(前日比5円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月1日 17時09分頃 6番限)
7,787円/g
白金 4,425円/g
ゴム (まだ出来ず)
とうもろこし 45,360円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「『分断』はスポーツの大会だけではない」
前回は、「W杯は、かつては西側、今は非西側で回っている」として、W杯のパートナー企業、スポンサー企業数の推移(国別)について、述べました。

今回は、「『分断』はスポーツの大会だけではない」として、W杯のパートナー企業、スポンサー企業数の推移(国別)について、述べます。

西側の影響力が低下し、「分断」が生じているのは、W杯だけではありません。ウクライナ情勢をめぐる国連決議でも起きています。

以下は、11月14日に行われた国連決議「ロシアに対してウクライナ侵攻による損害の賠償を要求」の結果です。

193カ国中、西側を中心とした94カ国が賛成(ロシアを否定)しましたが、99カ国(反対13カ国+棄権74カ国+未投票12カ国)が、ロシアを否定しませんでした。99カ国の内訳は、「ロシアと隣接するアジア諸国の一部」、「OPECプラス」「旧ソ連諸国」「南米・アフリカの鉱物資源国」です。

もともとロシアになびきやすい国、化石燃料が重要な収益源で西側が提唱する「脱炭素」を受け入れにくい国、独裁色が強く西側が推進する「人権重視」を容認しにくい国などです。

つまり、細かい文脈は異なれど、「西側と考えが合いにくい国」が、国連決議の場で「非西側」を表明しているのです。

スポーツの世界でも、ウクライナ情勢をめぐっても、「西側」と「非西側」の分断が目立っています。今まさに、「非西側」が集合しつつあるように、見えます。

図:国連決議(11月14日)「ロシアに対してウクライナ侵攻による損害の賠償を要求」
出所:国際連合などのデータをもとに筆者作成

出所:国際連合などのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。