ユーロ高が、金相場の先行指標か否か?

著者:菊川 弘之
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 2015年末から始まった前回の米利上げ局面と同様、利上げの最終局面では、利上げしても金価格は下がらず、利下げに転じて以降、金価格の上げが加速していった値動きパターンが今後は意識されそうだ。

 まずは、NY金の上値抵抗となっている200日移動平均線を明確に上抜くか否かが焦点だ。200日移動平均線がドル円の下値支持、NY金の上値抵抗になっており、雇用統計を受けた値動きでも、同水準が利益確定ポイントとなった。NY金が本格的に上昇に転じたことを確認する為には、ドル円が200日移動平均線を割り込み、NY金が200日移動平均線を上抜く必要があるが、NY金と相関の高いユーロドルは、一足早く、200日移動平均線を上抜いている。

 足もとのユーロドルの強い動きが、NY金の先行指標となるのか、それともユーロドルの200日移動平均線上抜けがダマシとなるのかを、FOMCにかけて確認する流れとなろう。ユーロ高の一因として、ロシア・ウクライナの停戦協議開始期待もあり、水面下で模索されている停戦協議の動きにも注意したい。


 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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