今回も、ユーラシアグループ「10大リスク」を基に、今年のマーケットに与える影響を探ってみたい。
(6)Energy crunch:エネルギー危機
10大リスクでは、「年末までに原油価格は1バレル100ドル以上に上昇するだろう。」と指摘した。2023~24年の冬に備えて欧州が十分なガス供給を確保しようとする中でガス価格が高騰すれば、南アジアや東南アジアのエネルギー需要の高い国は2023年の長期にわたって、LNG市場から締め出されたままとなる。要するに、この冬のエネルギー市場の安息は一時的なもので、台風の目のようなものだ。いずれ新たなエネルギー危機が消費者に圧力をかけ、政府の財政負担を生み、先進国と途上国、米国と湾岸諸国間の対立が深まる。と指摘した。
足元では欧州の暖冬で天然ガスが急落し、原油市場も強気の雇用統計を受けて、米早期出口戦略思惑の後退で75ドル台を割り込んでいるが、70ドル水準では米戦略備蓄在庫の補てん買いが想定される。2022年には売り材料となったSPR売却は、2023年はSPR買い付けとなって、強気要因となりそうだ。
また、サウジアラビアの財政均衡価格(79.2ドル)割れでは、「OPECプラス」の減産が下値を支持しそうだ。「OPECプラス」は、共同閣僚監視委員会(JMMC)で現行の減産目標を維持する方針を確認した。日量200万バレルの減産を年末まで維持する。
ほぼ毎月行われていた産油国会合は、共同閣僚監視委員会(JMMC)が2ヶ月に一回、閣僚会合は6ヶ月に1回と変更になったが、JMMCが閣僚会合の開催を要請できる。決定や勧告権のある全体会合は6月に開催される予定。
(6)Energy crunch:エネルギー危機
10大リスクでは、「年末までに原油価格は1バレル100ドル以上に上昇するだろう。」と指摘した。2023~24年の冬に備えて欧州が十分なガス供給を確保しようとする中でガス価格が高騰すれば、南アジアや東南アジアのエネルギー需要の高い国は2023年の長期にわたって、LNG市場から締め出されたままとなる。要するに、この冬のエネルギー市場の安息は一時的なもので、台風の目のようなものだ。いずれ新たなエネルギー危機が消費者に圧力をかけ、政府の財政負担を生み、先進国と途上国、米国と湾岸諸国間の対立が深まる。と指摘した。
足元では欧州の暖冬で天然ガスが急落し、原油市場も強気の雇用統計を受けて、米早期出口戦略思惑の後退で75ドル台を割り込んでいるが、70ドル水準では米戦略備蓄在庫の補てん買いが想定される。2022年には売り材料となったSPR売却は、2023年はSPR買い付けとなって、強気要因となりそうだ。
また、サウジアラビアの財政均衡価格(79.2ドル)割れでは、「OPECプラス」の減産が下値を支持しそうだ。「OPECプラス」は、共同閣僚監視委員会(JMMC)で現行の減産目標を維持する方針を確認した。日量200万バレルの減産を年末まで維持する。
ほぼ毎月行われていた産油国会合は、共同閣僚監視委員会(JMMC)が2ヶ月に一回、閣僚会合は6ヶ月に1回と変更になったが、JMMCが閣僚会合の開催を要請できる。決定や勧告権のある全体会合は6月に開催される予定。