[Vol.1442] 原油生産国でも非民主国家が台頭

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。68.31ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。1,917.20ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。23年05月限は11,665元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。23年05月限は499.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで949.05ドル(前日比15.40ドル縮小)、円建てで4,079円(前日比64円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月16日 13時28分頃 6番限)
8,144円/g
白金 4,065円/g
ゴム 208.5円/kg
とうもろこし 42,450円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「原油生産国でも非民主国家が台頭」
前回は、「世界の人口の8割弱は非民主国家に住む」として、自由民主主義指数が0.5以上および0.5未満の国の人口シェアを、確認しました。

今回は、「原油生産国でも非民主国家が台頭」として、原油生産国の状況(自由民主主義指数 0.5以上と0.5未満)を確認します。

以下の図は、原油(天然ガス液除く)を生産している国々の、自由民主主義指数の状況を示しています。2011年以降、非民主国家が増加、民主国家が減少していることがわかります。

近年、OPECプラスが減産(上限を決めた生産活動)を行っているため、非民主国家の生産シェアは頭打ちです。逆に、米国で起きたシェール革命により、民主国家のシェアは上昇傾向にあります。

頭打ちとはいえ、非民主国家の原油の生産シェアは69%です(2021年)。ウクライナ危機勃発により、西側(多くが民主国家)と、非西側(多くが非民主国家)の間の溝が後戻りできないくらい深まっています。

「環境問題」「脱炭素」の名の下、十分な配慮を欠いたまま化石燃料(原油・天然ガス・石炭など)の使用を一方的に否定した民主国家が今後、かつてのように非民主国家から化石燃料を調達できるかどうかは、不透明と言わざるを得ません。

図:原油生産国の状況(自由民主主義指数 0.5以上と0.5未満)
図:原油生産国の状況(自由民主主義指数 0.5以上と0.5未満)

出所:V-Dem研究所およびBPのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。