[Vol.1464] 鶏のエサの多くはトウモロコシと大豆

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。81.11ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。2,012.65ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。23年09月限は11,875元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。23年06月限は586.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで948.15ドル(前日比2.75ドル拡大)、円建てで4,184円(前日比69円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(4月18日 14時30分頃 6番限)
8,624円/g
白金 4,440円/g
ゴム 211.8円/kg
とうもろこし 43,000円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●シカゴトウモロコシ先物(期近) 日足  単位:ドル/ブッシェル
シカゴトウモロコシ先物(期近) 日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「鶏のエサの多くはトウモロコシと大豆」
前回は、「『優等生』でなくなった『鶏卵』」として、鶏卵小売・卸売価格および飼料価格の推移について、述べました。

今回は、「鶏のエサの多くはトウモロコシと大豆」として、日本の育雛・成鶏用配合飼料の原料シェアについて、述べます。

以下の図は、日本における雛(ひな、いわゆるヒヨコ)や、成長した鶏に与える配合飼料の原料のシェアを示しています。

飼育される鶏に与える配合のおよそ半分は「トウモロコシ(49.7%)」です。次いで「大豆油かす(15.0%)」です。配合飼料用の「トウモロコシ」の多くは、米国などから輸入しています。「大豆油かす」は、大豆を搾って油を抽出した際に出るかす(粕)です。その大豆の多くも、輸入しています。

つまり、「トウモロコシ」と「大豆」の輸入価格の動向が、「鶏卵」を生産する際のコストに大きな影響を与えているのです。輸入価格はドル/円相場の動向のほか、「国際価格」の動向に左右されます。

海の向こうの「国際価格」の動向が、わたしたちの近所のスーパーマーケットで売られている「鶏卵価格」の動向に強く影響しています。「鳥インフルエンザの蔓延」は、国内要因、二段構造の上、短期視点であり、「国際価格」は文字通り海外要因、二段構造の下、中長期視点と、まとめることができるでしょう。

図:日本の育雛・成鶏用配合飼料の原料シェア(2023年1月)
図:日本の育雛・成鶏用配合飼料の原料シェア(2023年1月)

出所:農林水産省のデータをもとに筆者作成 写真はPIXTAより

 

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このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。