原油反発。主要産油国の減産報道などで。71.14ドル/バレル近辺で推移。
金反落。ドル指数の反発などで。1,930.75ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。23年09月限は12,485元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年08月限は557.9元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1006.95ドル(前日比3.05ドル縮小)、円建てで4,673円(前日比1円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(7月6日 18時08分時点 6番限)
金 8,877円/g
白金 4,204円/g
ゴム 206.1円/kg
とうもろこし 40,940円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「原油:米国国内の動向をきっかけに上向く」
前回は、「金(ゴールド):利上げの温度感低下で上昇」として、FF金利誘導目標(2022年から2023年)について、述べました。
今回は、「原油:米国国内の動向をきっかけに上向く」として、米シェール主要地区の掘削済・仕上げ済井戸数とWTI原油価格の推移について、述べます。
原油は上半期、「[Vol.1516] 米国発の『二つの綱引き』が市場を席巻」で述べた、一つ目の綱引きのドル安とドル高に揺られながら、二つ目の綱引きの「不安拡大」に強く押され、下落しました。こうした中、米国のシェール主要地区では、昨年の終わりごろから起きていた変化が加速しました。
以下は、米シェール主要地区における、リグを使って掘削が完了した井戸の数(掘削済井戸数)と、掘削が完了した井戸に対して生産に向けた最終的な作業が施された井戸の数(仕上げ済井戸数)、そして原油相場の推移です。
バイデン政権が発足したのは2021年1月でした。すぐさまパリ協定に復帰し、「環境問題」を改善するべく「脱炭素」を再開させました。同月以降の掘削済井戸数と仕上げ済井戸数は、それ以前と異なり、原油相場が上昇してもその上昇に追随していません。
追随していないのは、追随すると石油産業を活性化させようとしている(石油の消費を増やし、二酸化炭素の排出量を増やそうとしている)と社会に認識されてしまうためだと、考えられます。
特に米国国内をメインに操業している石油会社は、ESG(環境・社会・ガバナンス)のどの点からも、原油価格の上昇に追随して生産に向けた活動を活発化させることができないもようです。以前は、原油価格が上昇するとシェールの生産は増えるといわれていましたが、現在はそうではありません。
例えば、コロナショックの直前(2020年2月)と足元(2023年5月)を比べると、WTI原油価格は41%上昇(50.54ドル→71.58ドル)しましたが、米国の原油生産量は3.3%減少(1,284万バレル/日量→1,242万バレル/日量)しています。
こうした状況の中、原油相場の反落が目立ち始めたことをきっかけに、昨年の終わりごろから掘削済井戸数、仕上げ済井戸数、ともに減少し始めています。長期視点では政策面で、短期視点では原油価格の下落によって、米シェールの生産増加は望みにくい状況にあります。これはまさに「米国発」の原油相場を支える要因だと言えるでしょう。
世界がウクライナ危機下にある中で、原油生産シェアは世界1位の米国(2023年5月 ライスタッドエナジーのデータより)は、大きな頼みの綱です。しかし、長期・短期両面で供給を拡大できずにいます。
図:米シェール主要地区の掘削済・仕上げ済井戸数とWTI原油価格
出所:EIA(米エネルギー情報局)のデータをもとに筆者作成
金反落。ドル指数の反発などで。1,930.75ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。23年09月限は12,485元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年08月限は557.9元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1006.95ドル(前日比3.05ドル縮小)、円建てで4,673円(前日比1円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(7月6日 18時08分時点 6番限)
金 8,877円/g
白金 4,204円/g
ゴム 206.1円/kg
とうもろこし 40,940円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「原油:米国国内の動向をきっかけに上向く」
前回は、「金(ゴールド):利上げの温度感低下で上昇」として、FF金利誘導目標(2022年から2023年)について、述べました。
今回は、「原油:米国国内の動向をきっかけに上向く」として、米シェール主要地区の掘削済・仕上げ済井戸数とWTI原油価格の推移について、述べます。
原油は上半期、「[Vol.1516] 米国発の『二つの綱引き』が市場を席巻」で述べた、一つ目の綱引きのドル安とドル高に揺られながら、二つ目の綱引きの「不安拡大」に強く押され、下落しました。こうした中、米国のシェール主要地区では、昨年の終わりごろから起きていた変化が加速しました。
以下は、米シェール主要地区における、リグを使って掘削が完了した井戸の数(掘削済井戸数)と、掘削が完了した井戸に対して生産に向けた最終的な作業が施された井戸の数(仕上げ済井戸数)、そして原油相場の推移です。
バイデン政権が発足したのは2021年1月でした。すぐさまパリ協定に復帰し、「環境問題」を改善するべく「脱炭素」を再開させました。同月以降の掘削済井戸数と仕上げ済井戸数は、それ以前と異なり、原油相場が上昇してもその上昇に追随していません。
追随していないのは、追随すると石油産業を活性化させようとしている(石油の消費を増やし、二酸化炭素の排出量を増やそうとしている)と社会に認識されてしまうためだと、考えられます。
特に米国国内をメインに操業している石油会社は、ESG(環境・社会・ガバナンス)のどの点からも、原油価格の上昇に追随して生産に向けた活動を活発化させることができないもようです。以前は、原油価格が上昇するとシェールの生産は増えるといわれていましたが、現在はそうではありません。
例えば、コロナショックの直前(2020年2月)と足元(2023年5月)を比べると、WTI原油価格は41%上昇(50.54ドル→71.58ドル)しましたが、米国の原油生産量は3.3%減少(1,284万バレル/日量→1,242万バレル/日量)しています。
こうした状況の中、原油相場の反落が目立ち始めたことをきっかけに、昨年の終わりごろから掘削済井戸数、仕上げ済井戸数、ともに減少し始めています。長期視点では政策面で、短期視点では原油価格の下落によって、米シェールの生産増加は望みにくい状況にあります。これはまさに「米国発」の原油相場を支える要因だと言えるでしょう。
世界がウクライナ危機下にある中で、原油生産シェアは世界1位の米国(2023年5月 ライスタッドエナジーのデータより)は、大きな頼みの綱です。しかし、長期・短期両面で供給を拡大できずにいます。
図:米シェール主要地区の掘削済・仕上げ済井戸数とWTI原油価格
出所:EIA(米エネルギー情報局)のデータをもとに筆者作成