[Vol.1568] 積立投資、価格が暴落したらどうなる?

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。91.09ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,955.65ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。24年01月限は14,235元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年11月限は699.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1010.5ドル(前日比4.60ドル縮小)、円建てで4,758円(前日比32円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(9月19日 17時52分時点 6番限)
9,172円/g
白金 4,414円/g
ゴム 235.5円/kg
とうもろこし 39,280円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NYプラチナ先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス
NYプラチナ先物(期近) 月足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「積立投資、価格が暴落したらどうなる?」
前回は、「最近の市場の全体像(株価指数・通貨・コモディティ)」として、市場全体の環境について、筆者の考えを述べました。

今回は、「積立投資、価格が暴落したらどうなる?」として、積み立てシミュレーション(3パターンの価格推移)について、述べます。

仮に、以下の価格推移を演じる商品があったとします。足元、歴史的な高値水準である8,990円近辺で推移しています。この価格が、今後50年間で暴騰・暴落・大暴落の三つのパターンで推移したとすると、どのパターンの収益が最も大きくなるでしょうか。

条件は、「積み立て」で取引すること(毎月1万円)、手数料は買付時に1.65%(税込)、分配金・配当なし、再投資せず、です。

暴騰パターン(1)は、20年かけて2,000円以上上昇、次の20年は1万1,000円という史上最高値水準を維持。最後の10年間で2,000円上昇し、1万3,000円という史上最高値で取引を終えるパターンです。

暴落パターン(2)は、20年かけておよそ半値になり、次の20年はその水準を維持。最後の10年間で2,000円上昇するも、積み立て開始時よりも2,400円以上安くなって(およそ27%安で)取引を終えるパターンです。一度も、積み立て開始時の価格を上回っていません。

大暴落パターン(3)は、20年かけておよそ9分の1になり、次の20年はその水準を維持。最後の10年間で2,000円上昇するも、積み立て開始時よりもおよそ6,000円安くなって(およそ66%安で)取引を終えるパターンです。暴落パターンと同様、一度も、積み立て開始時の価格を上回っていません。さて、どのパターンの収益が最も大きくなるのでしょうか。

図:積み立てシミュレーション(3パターンの価格推移) 単位:円/グラム
図:積み立てシミュレーション(3パターンの価格推移) 単位:円/グラム

出所:国内大手地金商のデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。