[Vol.1567] 最近の市場の全体像

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反落。最近の急上昇の反動などで。90.38ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,939.25ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年01月限は14,455元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年11月限は705.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1016.6ドル(前日比5.10ドル縮小)、円建てで4,770円(前日比15円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(9月15日 18時55分時点 6番限)
9,108円/g
白金 4,338円/g
ゴム 237.1円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「最近の市場の全体像」
前回は、「『高水準維持』が目先のメインシナリオ」として、主要原油輸出国の財政収支が均衡する時の原油価格について、書きました。

今回は、「最近の市場の全体像」として、市場全体の環境について、筆者の考えを述べます。

前回、今後のOPECプラスの行動の方向性について、原油価格を上昇させすぎることでデメリットが生じること、切ることができるカードが少なくなっていること、ある程度満足できる価格帯まで上昇させることに成功したことなどを考慮すれば、これからは価格を下げないよう「減産を強化するかもしれない」など、口先介入を断続的に行う可能性があると、書きました。

こうした考えに基づけば、原油相場は「高止まり」する可能性があります。

株価指数・通貨などの動向を考える場合においては、以下の図のとおり、原油を含んだコモディティ(国際商品)の価格が諸材料の頂点付近に位置付けられることを、認識する必要があります。

図:最近の市場の全体像(株価指数・通貨・コモディティ)
図:最近の市場の全体像(株価指数・通貨・コモディティ)

出所:筆者作成 イラストはPIXTA

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。