週刊石油展望

著者:児玉 圭太
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 先週末のWTI原油は前週比0.61ドル安の90.19ドル、ブレント原油は0.6ドル安の93.72ドルとなった。

 前週末の海外原油は続伸。サウジやロシアによる供給制限が支えとなるなか、8月の中国の経済指標が強かったことや、今週のFOMCで利上げが見送られる公算であることが相場を押し上げた。

 週明け18日も続伸。需給引き締まり観測のほか、米シェールオイル生産の拡大が一巡し、生産増加が一服するとの見通しから買いが優勢となった。また、対主要通貨でドル安となったことも支援要因となった。19日は反落。直近の上昇から利益確定の売りが優勢となった。またFOMCを控えて調整売りが出たほか、ドルの上昇も圧迫要因となった模様。20日は続落。FOMCにおいて政策金利は据え置かれたものの、データ次第では年内の追加利上げの可能性が示唆されたことでドル高に振れたことが要因。EIA統計では原油在庫の減少が示されたものの、特に材料視はされなかった模様。21日は横ばい。ロシアが国内価格安定のために燃料輸出を一時停止すると発表したことで買いが先行した。買い一巡後は追加利上げへの警戒感が重しとなり、上げ幅を削る展開となった。

原油チャート

 今週の原油相場は再び高値を目指す展開となるか。ロシアやサウジによる供給調整から、年後半にかけての需給引き締まり見通しが相場を押し上げる要因となるのは変わらないだろう。今週はFOMCにおいて年内の追加利上げが示唆されたことが重しとなり調整が入る展開となったが、ロシアが旧ソ連4か国以外への燃料輸出を停止したことから、燃料油主導で上昇する展開も想定されるだろう。テクニカル的にはWTIで前回高値の94ドル付近が目標となるが、2022年10~11月にも94ドル手前で跳ね返されていることから売り圧力も強まると思われ、高値更新には新たな買い材料が必要となりそうだ。

 

 

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このコラムの著者

児玉 圭太(コダマ ケイタ )

国際法人部主任として国内商社や地場SS等を担当。
需給動向や石油現物価格などをもとに相場分析を行います。静岡出身。