原油反落。米主要株価指数の反落などで。84.95ドル/バレル近辺で推移。
金反発。中東情勢の混迷などで。1,999.85ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年01月限は14,605元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年12月限は668.4元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1087.45ドル(前日比4.95ドル拡大)、円建てで5,289円(前日比5円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(10月26日 16時38分時点 6番限)
金 9,610円/g
白金 4,321円/g
ゴム 262.0円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)
●NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「長期視点では『中央銀行』に注目」
前回は、「有事の賞味期限に関する考察」として、長期視点のドル建て金(ゴールド)の価格推移を確認しました。
今回は、「長期視点では『中央銀行』に注目」として、金(ゴールド)市場を取り巻く7つのテーマを確認します。
長期投資を前提とし、金(ゴールド)に注目をされておられる方は少なくないと思います。時には数十年単位のプロジェクトになり得る長期投資において、前回述べた有事の賞味期限である2年(あくまでも筆者の考察にすぎませんが)は短いかもしれません。
ですが、金(ゴールド)市場には、長期視点の価格反発を誘引する可能性があるテーマがあります。「中央銀行」です。(合計7つのテーマは以下の図をご覧ください)
足元で目立っている「有事ムード」は、短中期の時間軸のテーマに分類しています。また、「[Vol.1592] ドル・株起因の下落圧力の中、上昇」で述べた「代替資産」と「代替通貨」も、短中期です。つまり、ここで挙げたテーマは、いずれも長期に分類されていないのです。
一口に金(ゴールド)価格を変動させるテーマといっても、影響度も時間軸も異なります。特に長期投資を前提として金(ゴールド)に注目される方は、中長期以降のテーマに注目されると良いと、筆者は思います。
当然のことながら、金(ゴールド)価格は日々、短中期のテーマの影響を受けて細かく変動します。このため、短中期のテーマに関心が向くことは自然なことだと思います。ただし、長期投資をされている場合は、日々の値動きやテーマの他に、長期視点のテーマにも注目する必要があると、考えます。
「中央銀行(Central bank)」は、通貨を発行したり、雇用と物価を調節するために金融政策を検討・決定したり、事態が急変した時のために外貨準備高を保有したりする、公的な金融機関です。「銀行の銀行」とも呼ばれます。
各国の中央銀行の多くが外貨準備高の一部として金(ゴールド)を保有しています。今年に入り、中央銀行が積み上げた量(差引合計)は、金(ゴールド)の全需要のおよそ20%を占めます(WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)のデータより)。このことは、中央銀行の動向が金(ゴールド)市場に大きな影響を与える存在であることを示しています。
ウクライナで危機が勃発したり、米国で急速な利上げが行われたりした2022年の積上げ量(差引合計)は、統計史上最大となりました。リーマンショックが発生した2008年以降、大きな規模の積上げが続いていた中での出来事でした。
WGCが公表した「中央銀行調査(2023年)」の結果によれば、中央銀行たちは主に「歴史的地位」、「危機時のパフォーマンス」、「長期的な価値の貯蔵/インフレヘッジ」、「効果的なポートフォリオの分散化」を目的とし、金(ゴールド)を保有しているようです。
「金(ゴールド)保有時の意思決定に関連するトピックは何ですか?」という質問で、次の結果が得られました。「歴史的地位」については、回答した先進国の中央銀行全て(100%)が選択しましたが、新興国は3分の2強の69%にとどまりました。また、当該選択肢以外は全て、新興国の割合が先進国よりも高くなりました。
新興国の中央銀行は、金(ゴールド)に対し、危機時でもパフォーマンスが上がる、長期的な価値保全・インフレヘッジに効果を発揮する、効率的なポートフォリオ構築に役立つ、デフォルトしない、流動性が高い、政治リスクを低減するなどを、期待しているようです。
こうした結果から、先進国の中央銀行は金(ゴールド)を「伝統的資産」として認識していると考えられます。新興国の中央銀行は「戦略的資産」として認識していると、考えられます(下位ではあるが、「制裁への懸念」「脱ドル政策の一環」なども選択されている)。
図:金(ゴールド)市場を取り巻く7つのテーマ
出所:筆者作成
金反発。中東情勢の混迷などで。1,999.85ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年01月限は14,605元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年12月限は668.4元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1087.45ドル(前日比4.95ドル拡大)、円建てで5,289円(前日比5円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(10月26日 16時38分時点 6番限)
金 9,610円/g
白金 4,321円/g
ゴム 262.0円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)
●NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「長期視点では『中央銀行』に注目」
前回は、「有事の賞味期限に関する考察」として、長期視点のドル建て金(ゴールド)の価格推移を確認しました。
今回は、「長期視点では『中央銀行』に注目」として、金(ゴールド)市場を取り巻く7つのテーマを確認します。
長期投資を前提とし、金(ゴールド)に注目をされておられる方は少なくないと思います。時には数十年単位のプロジェクトになり得る長期投資において、前回述べた有事の賞味期限である2年(あくまでも筆者の考察にすぎませんが)は短いかもしれません。
ですが、金(ゴールド)市場には、長期視点の価格反発を誘引する可能性があるテーマがあります。「中央銀行」です。(合計7つのテーマは以下の図をご覧ください)
足元で目立っている「有事ムード」は、短中期の時間軸のテーマに分類しています。また、「[Vol.1592] ドル・株起因の下落圧力の中、上昇」で述べた「代替資産」と「代替通貨」も、短中期です。つまり、ここで挙げたテーマは、いずれも長期に分類されていないのです。
一口に金(ゴールド)価格を変動させるテーマといっても、影響度も時間軸も異なります。特に長期投資を前提として金(ゴールド)に注目される方は、中長期以降のテーマに注目されると良いと、筆者は思います。
当然のことながら、金(ゴールド)価格は日々、短中期のテーマの影響を受けて細かく変動します。このため、短中期のテーマに関心が向くことは自然なことだと思います。ただし、長期投資をされている場合は、日々の値動きやテーマの他に、長期視点のテーマにも注目する必要があると、考えます。
「中央銀行(Central bank)」は、通貨を発行したり、雇用と物価を調節するために金融政策を検討・決定したり、事態が急変した時のために外貨準備高を保有したりする、公的な金融機関です。「銀行の銀行」とも呼ばれます。
各国の中央銀行の多くが外貨準備高の一部として金(ゴールド)を保有しています。今年に入り、中央銀行が積み上げた量(差引合計)は、金(ゴールド)の全需要のおよそ20%を占めます(WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)のデータより)。このことは、中央銀行の動向が金(ゴールド)市場に大きな影響を与える存在であることを示しています。
ウクライナで危機が勃発したり、米国で急速な利上げが行われたりした2022年の積上げ量(差引合計)は、統計史上最大となりました。リーマンショックが発生した2008年以降、大きな規模の積上げが続いていた中での出来事でした。
WGCが公表した「中央銀行調査(2023年)」の結果によれば、中央銀行たちは主に「歴史的地位」、「危機時のパフォーマンス」、「長期的な価値の貯蔵/インフレヘッジ」、「効果的なポートフォリオの分散化」を目的とし、金(ゴールド)を保有しているようです。
「金(ゴールド)保有時の意思決定に関連するトピックは何ですか?」という質問で、次の結果が得られました。「歴史的地位」については、回答した先進国の中央銀行全て(100%)が選択しましたが、新興国は3分の2強の69%にとどまりました。また、当該選択肢以外は全て、新興国の割合が先進国よりも高くなりました。
新興国の中央銀行は、金(ゴールド)に対し、危機時でもパフォーマンスが上がる、長期的な価値保全・インフレヘッジに効果を発揮する、効率的なポートフォリオ構築に役立つ、デフォルトしない、流動性が高い、政治リスクを低減するなどを、期待しているようです。
こうした結果から、先進国の中央銀行は金(ゴールド)を「伝統的資産」として認識していると考えられます。新興国の中央銀行は「戦略的資産」として認識していると、考えられます(下位ではあるが、「制裁への懸念」「脱ドル政策の一環」なども選択されている)。
図:金(ゴールド)市場を取り巻く7つのテーマ
出所:筆者作成