[Vol.1616] 材料の時間軸と投資手法の関係

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。76.83ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。2,037.20ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。24年01月限は13,625元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年01月限は578.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1094.3ドル(前日比4.50ドル拡大)、円建てで5,295円(前日比5円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(11月29日 18時16分時点 6番限)
9,670円/g
白金 4,375円/g
ゴム 265.5円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「材料の時間軸と投資手法の関係」
前回は、「新NISAを利用する際の五つの選択」として、筆者が考える新NISAを利用する際のポイントを述べました。

今回は、「材料の時間軸と投資手法の関係」として、金(ゴールド)にかかる七つのテーマ
について述べます。

先述の通り、「期間(手法)」については、注目する材料がどの時間軸を示すものであるかで、おのずと決まってきます。

世界規模の不安感の強弱(有事ムード)、株価の上下(代替資産)、ドルの上下(代替通貨)といった、短中期的な時間軸の材料に注目した場合に選択する取引手法は「スポット(随時)購入」がなじむと考えられます。

一方、中国・インドの宝飾需要の増減、中央銀行の金(ゴールド)保有高の増減、鉱山会社のヘッジ(保険つなぎ)増減、西側・非西側の対立(見えないリスク)といった、中長期・超長期的な時間軸の材料に注目した場合に選択する取引手法は「積立購入」がなじむと考えられます。

金(ゴールド)相場は、下図のとおり複数のテーマの影響を受けています。近年の環境は、一つのテーマだけで値動きを説明できた1970年代と大きく異なり、複雑化しています。ですが、こうした複数のテーマを「時間軸」で分類することで、相場を分析しやすくなります。

このような考え方に基づくことによって、中央銀行関連のニュースで短期前提のスポット購入(売却)をしたり、有事関連のニュースで長期前提の積立投資をしたりするなどの、意図と行動が食い違った状態を避けることができます。

「成長投資枠」を利用した金(ゴールド)投資に欠かせない考え方です。

図:金(ゴールド)にかかわる七つのテーマ
図:金(ゴールド)にかかわる七つのテーマ

出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。