原油反発。米主要株価指数の反発などで。74.20ドル/バレル近辺で推移。
金反発。ドル指数の反落などで。2,055.15ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年05月限は13,715元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年02月限は563.0元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1089.9ドル(前日比3.60ドル拡大)、円建てで5,050円(前日比9円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(12月20日 16時37分時点 6番限)
金 9,417円/g
白金 4,367円/g
ゴム 241.0円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)
●NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス
![NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス](https://s3.fu.minkabu.jp/pictures/2917/original_1_231220_rakutensec_yoshida.png)
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「FRBの利下げは強い上昇圧力を生む」
前回は、「分析の前提条件は『多彩』になっている」として、2023年のドル建て・円建て金(ゴールド)価格の推移について述べました。
今回は、「FRBの利下げは強い上昇圧力を生む」として、金(ゴールド)に関わる短中期の三つのテーマの動向について述べます。
(前回述べたように)変動要因が多彩になった金(ゴールド)相場とどう向き合えばよいのでしょうか。テーマを時間軸ごとに分類して影響度を図ることで、分析がすすみ、見通しを立てることができるようになります。
「有事ムード」「代替資産」「代替通貨」は、短中期的なテーマです。これらに、中長期的なテーマ「中印などの宝飾需要」「中央銀行」「鉱山会社」、超長期的な「見えないリスク」が続きます。
2023年11月中旬ごろまでは、以下の図の左側の状態でした。ドル建て金(ゴールド)相場は「代替通貨」起因の下落圧力と「有事ムード」「代替資産」起因の上昇圧力の間で高止まりしていたことを、示しています。FRB(米連邦準備制度理事会)(米国の中央銀行にあたる機関)が利上げを急ぎ、景気後退懸念が浮上したり、ドル高が進んだりしたタイミングです。
2023年12月のFOMC(連邦公開市場委員会)で、FRBがこれまでの方針を転換して来年(2024年)に利下げを行うことを示唆しました。これにより、ドル建て・円建て金(ゴールド)市場や為替市場を取り巻く環境は、図の右側の状態に転換しつつあります。
中央銀行が利下げを行っている時は景気が悪い時(利上げを行っている時は景気が良い時)という考え方もありますが、こうした考え方は市場が中央銀行の動向に過度におびえたり期待したりしている場合に機能しにくいことがあります。
2021年から2022年にかけて、利上げ時に景気悪化懸念が増幅したのは、利上げによって個人や企業が資金を調達しにくくなったこと(懸念含む)が大きいと言えます。利上げを行っている時は景気が良い時なのであれば株価は大きく上昇したはずです。
その意味では、来年2024年、「利下げ」が始まると、個人や企業が資金を調達しやすくなり、景気回復期待が増幅し、株高が生じ得ます。利下げは同時にドル安を生み、そのドル安はドル建て金(ゴールド)市場に「代替通貨」起因の上昇圧力をかけると考えられます(図内「A」)。その結果、株高・金(ゴールド)高が起き得ます。
そこにイスラエルやウクライナ情勢が沈静化しないことへの不安をきっかけとした「有事ムード」起因の上昇圧力が加わり(図内「B」)、ドル建て金(ゴールド)市場に強い上昇圧力がかかると考えられます。
利下げがきっかけで起き得る株高は、ドル建て金(ゴールド)市場に「代替資産」起因の下落圧力をかけると考えられます(図内「C」)。全体として、AとB起因の上昇圧力が、C起因の下落圧力を相殺し、ドル建て金(ゴールド)価格は上昇する可能性があります。
「利下げ」方針への転換は、ドル建て金(ゴールド)市場に与える影響度は大きく、過去の利下げ転換時(2007年や2019年)は、ドル建て・円建て金(ゴールド)、株価指数上昇、ドル関連指標下落が、同時に発生しました。2024年のいずれかのタイミングで、こうした事象が発生する可能性があります。
具体的な利下げ実施のタイミングは、以前の「[Vol.1622] すでに『モノ』のインフレは沈静化」で示した米PCE(個人消費支出)の「サービス」部門のインフレが沈静化することが確実になった時だと、筆者はみています。
図:金(ゴールド)に関わる短中期の三つのテーマの動向
![図:金(ゴールド)に関わる短中期の三つのテーマの動向 図:金(ゴールド)に関わる短中期の三つのテーマの動向](https://s3.fu.minkabu.jp/pictures/2918/original_2_231220_rakutensec_yoshida.png)
出所:筆者作成
金反発。ドル指数の反落などで。2,055.15ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年05月限は13,715元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年02月限は563.0元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1089.9ドル(前日比3.60ドル拡大)、円建てで5,050円(前日比9円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(12月20日 16時37分時点 6番限)
金 9,417円/g
白金 4,367円/g
ゴム 241.0円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)
●NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス
![NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス](https://s3.fu.minkabu.jp/pictures/2917/original_1_231220_rakutensec_yoshida.png)
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「FRBの利下げは強い上昇圧力を生む」
前回は、「分析の前提条件は『多彩』になっている」として、2023年のドル建て・円建て金(ゴールド)価格の推移について述べました。
今回は、「FRBの利下げは強い上昇圧力を生む」として、金(ゴールド)に関わる短中期の三つのテーマの動向について述べます。
(前回述べたように)変動要因が多彩になった金(ゴールド)相場とどう向き合えばよいのでしょうか。テーマを時間軸ごとに分類して影響度を図ることで、分析がすすみ、見通しを立てることができるようになります。
「有事ムード」「代替資産」「代替通貨」は、短中期的なテーマです。これらに、中長期的なテーマ「中印などの宝飾需要」「中央銀行」「鉱山会社」、超長期的な「見えないリスク」が続きます。
2023年11月中旬ごろまでは、以下の図の左側の状態でした。ドル建て金(ゴールド)相場は「代替通貨」起因の下落圧力と「有事ムード」「代替資産」起因の上昇圧力の間で高止まりしていたことを、示しています。FRB(米連邦準備制度理事会)(米国の中央銀行にあたる機関)が利上げを急ぎ、景気後退懸念が浮上したり、ドル高が進んだりしたタイミングです。
2023年12月のFOMC(連邦公開市場委員会)で、FRBがこれまでの方針を転換して来年(2024年)に利下げを行うことを示唆しました。これにより、ドル建て・円建て金(ゴールド)市場や為替市場を取り巻く環境は、図の右側の状態に転換しつつあります。
中央銀行が利下げを行っている時は景気が悪い時(利上げを行っている時は景気が良い時)という考え方もありますが、こうした考え方は市場が中央銀行の動向に過度におびえたり期待したりしている場合に機能しにくいことがあります。
2021年から2022年にかけて、利上げ時に景気悪化懸念が増幅したのは、利上げによって個人や企業が資金を調達しにくくなったこと(懸念含む)が大きいと言えます。利上げを行っている時は景気が良い時なのであれば株価は大きく上昇したはずです。
その意味では、来年2024年、「利下げ」が始まると、個人や企業が資金を調達しやすくなり、景気回復期待が増幅し、株高が生じ得ます。利下げは同時にドル安を生み、そのドル安はドル建て金(ゴールド)市場に「代替通貨」起因の上昇圧力をかけると考えられます(図内「A」)。その結果、株高・金(ゴールド)高が起き得ます。
そこにイスラエルやウクライナ情勢が沈静化しないことへの不安をきっかけとした「有事ムード」起因の上昇圧力が加わり(図内「B」)、ドル建て金(ゴールド)市場に強い上昇圧力がかかると考えられます。
利下げがきっかけで起き得る株高は、ドル建て金(ゴールド)市場に「代替資産」起因の下落圧力をかけると考えられます(図内「C」)。全体として、AとB起因の上昇圧力が、C起因の下落圧力を相殺し、ドル建て金(ゴールド)価格は上昇する可能性があります。
「利下げ」方針への転換は、ドル建て金(ゴールド)市場に与える影響度は大きく、過去の利下げ転換時(2007年や2019年)は、ドル建て・円建て金(ゴールド)、株価指数上昇、ドル関連指標下落が、同時に発生しました。2024年のいずれかのタイミングで、こうした事象が発生する可能性があります。
具体的な利下げ実施のタイミングは、以前の「[Vol.1622] すでに『モノ』のインフレは沈静化」で示した米PCE(個人消費支出)の「サービス」部門のインフレが沈静化することが確実になった時だと、筆者はみています。
図:金(ゴールド)に関わる短中期の三つのテーマの動向
![図:金(ゴールド)に関わる短中期の三つのテーマの動向 図:金(ゴールド)に関わる短中期の三つのテーマの動向](https://s3.fu.minkabu.jp/pictures/2918/original_2_231220_rakutensec_yoshida.png)
出所:筆者作成