[Vol.1640] 積み立てを継続しつつ時には短期売買を検討

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。72.60ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。2,051.85ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。24年05月限は13,875元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年02月限は553.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1089.8ドル(前日比7.25ドル拡大)、円建てで5,151円(前日比105円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(1月5日 12時35分時点 6番限)
9,529円/g
白金 4,378円/g
ゴム 257.1円/kg
とうもろこし 37,050円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「積み立てを継続しつつ時には短期売買を検討」
前回は、「24年はFRBの利下げ起因の影響大に」として、2023年の各種銘柄の騰落率について述べました。

今回は、「積み立てを継続しつつ時には短期売買を検討」として、筆者が考える2024年の基本的な投資スタイルについて述べます。

前回述べたように、2024年はFRBの利下げ起因の影響が大きくなる可能性があります。こうした環境下で行う2024年のコモディティ投資について、筆者は以下のようなイメージを持っています(2023年12月27日時点)。長期を念頭に置いてプラチナに積立投資をしつつ(関連ETF(上場投資信託)もしくは金・プラチナ取引で)、状況に応じて金(ゴールド)や原油、農産物で短期売買を行う手法です。

2024年価格予想について、金(ゴールド)は1,700ドル~2,300ドル、プラチナは700ドル~1,200ドル、原油は60ドル~100ドル(最大で120ドル)と、筆者は考えています(2023年12月27日時点)。

金(ゴールド)は、史上最高値水準での攻防が続くとみられますが、通年でFRBの利下げ起因の上昇圧力がかかりやすくなるとみています(ドル建て)。

原油はOPECプラスの減産(減産は規模に変動はあるものの2024年12月まで続くことが決まっている)が引き続き下支えするとみられますが、中国の景気減速懸念などの不安材料が上値の重い時間帯を長くすると予想しています。こうした銘柄は、リスク管理を怠らないことを前提とした短期的な売買になじむと考えます。

プラチナは、2015年のフォルクスワーゲン問題発覚以降、価格が長期的に低迷してきました。しかし近年、低迷の大きな要因となった自動車排ガス浄化装置向け需要の減少は収まり、今後は増加する見通しが出ています。長期視点の価格反発が発生する可能性があることから、2024年を含んだ長期視点の積立投資(投資信託や金・プラチナ取引)がなじむと考えます。

図:基本的な投資スタイル(筆者イメージ)
図:基本的な投資スタイル(筆者イメージ)
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。