水星逆行開始!!ダマシに注意

著者:菊川 弘之
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 アストロロージでは、10月31日~11月20日に水星の逆行期間が訪れる。この時間の初期には、短期で急激な上下変動が起きるため、いわゆるウィップソー、すなわち急騰急落による往復の売買で損失を被りやすい時間帯と言われる。

 そういった中、米国株価指数は、米中貿易協議進展期待や、英国の合意なきブレグジット回避などを好感して続伸している。S&P500種株価指数は、3ヶ月ぶりに過去最高値を更新。トランプ米大統領が28日朝、中国との貿易協議の部分合意について調印に向けた最終調整が「計画より早く進んでいる」と述べたと伝わったことに加え、中国人民銀行(中央銀行)は29日、人民元の売買の基準値を対米ドルで1ドル=7.0617元に設定したと発表。8月26日以来、約2ヶ月ぶりの元高水準となり、米中双方の話し合いが順調に推移しているとの観測が強まっている。29日~30日に予定されている米連邦準備委員会(FOMC)での利下げの確率が高いことも一因。

 FEDウォッチでは、10月のFOMCでの利下げ確率は90%を超えており、10月の利下げはかなり織り込まれている状態。FOMCでは、米中貿易協議進展期待もあり株高の中、「予備的な利下げ」の打ち止め感が台頭するか否かが焦点。「利下げ打ち止め感」が強まれば、ドル円は上値抵抗である200日移動平均線~V=109.65円、N=110.69円などを試す流れも想定される。過去の季節傾向を振り返ると、11月はアベノミクス以降、円安ドル高傾向が強い。

 無風状態が予想されている日銀金融政策決定会合だが、2014年の円安・株高のきっかけとなった「ハロウィーン緩和」を期待する向きも増えてきた。仮にサプライズ緩和があると、過去の季節傾向と相まって、一時的にドル買い・株買いが加速する可能性はあるものの、今年のドル円は、200日移動平均線突破場面は、結果として売り場となっている。



このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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