週刊石油展望

著者:児玉 圭太
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 先週末のWTI原油は前週比1.90ドル高の78.08ドル、ブレント原油は1.26ドル高の82.76ドルとなった。

 前週末の海外原油はイスラエルのネタニエフ首相がハマスとの停戦交渉を明確に拒否し、ガザ南部ラファへの地上侵攻を指示したと伝わったことから地政学リスクが一段と高まり堅調な推移となった。

 先週は引き続き中東の地政学リスクが意識される中で上値を伸ばす展開となった。週明けはイスラエルがガザ南部ラファへの空爆を開始したと伝わったことが支えとなったほか、制裁の影響でロシア産原油の供給が滞っていると伝わったことが支えとなり堅調な推移となった。一方で中国勢が春節で不在となったほか、米CPIの公表を控える中で様子見姿勢が強まると上値は抑えられた。翌13日は引き続き中東の地政学リスクが意識されたほか、ロシアのプーチン大統領がウクライナとの停戦を米国に打診したものの、米国側が最終的に拒否したと伝わったことも支援要因となった。翌14日はEIA統計において原油在庫が1200万B増と予想以上の大幅増加となったことが嫌気されたほか、詳細は明らかにしなかったものの、米下院情報委員会のターナー委員長が深刻な国家安全保障上の脅威を警告したことが重しとなり軟調な推移となった。一部ではロシアが宇宙空間に核兵器を配備し、人工衛星などを標的にする恐れがあると伝わっている模様。週末にかけては再度買いが強まると、1月の米小売売上高や鉱工業生産が予想以上に軟調な内容となり、早期利下げ観測が高まったことからドル安進行したことが支えとなった。

原油チャート

 今週の原油相場は引き続き堅調な推移が続きそうか。イスラエルが避難民が集まるガザ南部ラファの空爆を開始し、地上侵攻も示唆している。また、イスラエルがレバノンの武装組織ヒズボラの施設を空爆し、上級司令官1人と戦闘員2人を殺害したと伝わったことで中東情勢のさらなる悪化が警戒されている。ヒズボラは7日にもイラクで米軍の攻撃により司令官を殺害されており、イラクで政情不安が高まっていることも支援材料となりそうだ。米CPIが高止まりしたことでドル高進行が進んだことは重しとなりそうだが、週末にかけてはドル高も一服しており、株式相場も高値圏を維持していることからリスクオンムードは続きそうか。足元ではWTIベースで80ドルの高値を目指す展開が想定されそうだ。

 

 

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このコラムの著者

児玉 圭太(コダマ ケイタ )

国際法人部主任として国内商社や地場SS等を担当。
需給動向や石油現物価格などをもとに相場分析を行います。静岡出身。