[Vol.1718] 「暴落」が運用を好転させる場合あり

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。81.03ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。2,296.15ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所) 労働節のため休場。

上海原油(上海国際能源取引中心) 労働節のため休場。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1347.8ドル(前日比6.90ドル縮小)、円建てで6,878円(前日比17円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(5月1日 16時50分時点 6番限)
11,613円/g
白金 4,735円/g
ゴム (まだ出来ず)
とうもろこし (まだ出来ず) とうもろこし42,000円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「『暴落』が運用を好転させる場合あり」
前回は、「積立投資、価格が暴落したらどうなる?」として、積み立てシミュレーション(2パターンの価格推移)について述べました。

今回は、「『暴落』が運用を好転させる場合あり」として、前回述べた二つの積み立てシミュレーションの累積資産額について述べます。

以下は、二つのパターンそれぞれの累積資産額の推移です。最終的な累積資産額(保有数量×価格)は、暴騰パターンがおよそ750万円、暴落パターンがおよそ780万円でした。前回の問い「暴騰パターンと暴落パターン、50年後にどちらの収益が大きくなるでしょうか」の答えは、暴落パターンでした。

1万円を600カ月(50年間)、投資し続けるため、投資金の合計は600万円です。このため投資金に対する最終的な資産の額は、暴騰パターンが1.26倍、暴落パターンが1.31倍でした。

この結果を「大差ない」と考えるか、「暴落が暴騰に勝った」と考えるか、さまざまだと思います。こうした相対的な評価も重要ですが、一度も取引開始時点の価格を上回らなかった暴落パターンで利益が出た、という暴落パターン自体の絶対評価にも注目する必要があります。

なぜこのような結果が出たのでしょうか。なぜ投資において、価格が下落しても利益が出ることがあるのでしょうか。

図:積み立てシミュレーション(2パターンの累積資産額)単位:100万円
図:積み立てシミュレーション(2パターンの累積資産額)単位:100万円

出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。