原油反発。米主要株価指数の反発などで。73.33ドル/バレル近辺で推移。
金反発。米10年債利回りの反落などで。2,351.35ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年09月限は15,050元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。24年07月限は570.3元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1353.15ドル(前日比1.65ドル拡大)、円建てで6,757円(前日比3円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(6月5日 18時05分時点 6番限)
金 11,752円/g
白金 4,995円/g
ゴム 331.0円/kg
とうもろこし 38,880円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)
●NYプラチナ先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「主要供給国の民主的度合いの低下は深刻」
前回は、「ESG推進下でプラチナ需要はむしろ増加」として、プラチナの自動車排ガス浄化装置向け需要の推移について述べました。
今回は、「主要供給国の民主的度合いの低下は深刻」として、プラチナの主要鉱山生産国の自由民主主義指数について述べます。
プラチナ相場は、長期視点で需要増加→価格反発、というシナリオを描きやすくなっていると述べました。ここからは供給面を確認します。プラチナの供給面は、「鉱山生産」と「リサイクルからの供給」の二つに分かれます。2023年は、供給全体の78%が鉱山生産、残りの22%がリサイクルからの供給でした(WPICのデータより)。
長期視点の価格低迷が続いている環境下では、相場が高値のときにメリットが大きくなるリサイクルからの供給は増えにくい傾向があります。このためしばらくの間、供給面を確認する場合は、鉱山生産の動向を重視することになりそうです。
プラチナの主要な鉱山生産国は、南アフリカ、ロシア、(南アフリカと隣接する)ジンバブエなどです。これら三カ国で鉱山生産のおよそ90%を占めます(同)。
世界各国の民主主義の状況を数値化する活動をしているV-Dem研究所(スウェーデン)が公表する「自由民主主義指数」を確認すると、これら三カ国の数値が低下傾向にあることが分かります。
同指数の低下は、これらの国の自由で民主的な度合いが、低下してきていることを意味します。2010年ごろから目立ち始めた西側と非西側の分断深化の流れの一端です。分断深化が進むことで、非西側から西側への資源供給に支障(非西側による資源の武器利用)が起きやすくなります。
例えば、原油の減産は、非西側産油国が行う西側への人為的な供給削減という意味がありますし、近年しばしば見られる非西側の農産物大国であるロシアやインドなどの「安全保障のための農産物の輸出規制」は、政治的意図を含んだ出し渋りという側面を感じさせます。
その意味では、主要鉱山生産国のほとんどで民主度が低下し、非西側化が進行しているプラチナにおいても、将来的に出し渋りが発生する可能性を否定することはできません。
世界全体が分断状態にあるからこそ、プラチナにおいても分断起因の出し渋りが起きる可能性があることに留意が必要です。長期視点で供給減少→価格反発、というシナリオもまた、描ける環境にあるといえます。
図:プラチナの主要鉱山生産国の自由民主主義指数
出所:V-Dem研究所およびWorld Platinum Investment Councilのデータより筆者作成
金反発。米10年債利回りの反落などで。2,351.35ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年09月限は15,050元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。24年07月限は570.3元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1353.15ドル(前日比1.65ドル拡大)、円建てで6,757円(前日比3円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(6月5日 18時05分時点 6番限)
金 11,752円/g
白金 4,995円/g
ゴム 331.0円/kg
とうもろこし 38,880円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)
●NYプラチナ先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「主要供給国の民主的度合いの低下は深刻」
前回は、「ESG推進下でプラチナ需要はむしろ増加」として、プラチナの自動車排ガス浄化装置向け需要の推移について述べました。
今回は、「主要供給国の民主的度合いの低下は深刻」として、プラチナの主要鉱山生産国の自由民主主義指数について述べます。
プラチナ相場は、長期視点で需要増加→価格反発、というシナリオを描きやすくなっていると述べました。ここからは供給面を確認します。プラチナの供給面は、「鉱山生産」と「リサイクルからの供給」の二つに分かれます。2023年は、供給全体の78%が鉱山生産、残りの22%がリサイクルからの供給でした(WPICのデータより)。
長期視点の価格低迷が続いている環境下では、相場が高値のときにメリットが大きくなるリサイクルからの供給は増えにくい傾向があります。このためしばらくの間、供給面を確認する場合は、鉱山生産の動向を重視することになりそうです。
プラチナの主要な鉱山生産国は、南アフリカ、ロシア、(南アフリカと隣接する)ジンバブエなどです。これら三カ国で鉱山生産のおよそ90%を占めます(同)。
世界各国の民主主義の状況を数値化する活動をしているV-Dem研究所(スウェーデン)が公表する「自由民主主義指数」を確認すると、これら三カ国の数値が低下傾向にあることが分かります。
同指数の低下は、これらの国の自由で民主的な度合いが、低下してきていることを意味します。2010年ごろから目立ち始めた西側と非西側の分断深化の流れの一端です。分断深化が進むことで、非西側から西側への資源供給に支障(非西側による資源の武器利用)が起きやすくなります。
例えば、原油の減産は、非西側産油国が行う西側への人為的な供給削減という意味がありますし、近年しばしば見られる非西側の農産物大国であるロシアやインドなどの「安全保障のための農産物の輸出規制」は、政治的意図を含んだ出し渋りという側面を感じさせます。
その意味では、主要鉱山生産国のほとんどで民主度が低下し、非西側化が進行しているプラチナにおいても、将来的に出し渋りが発生する可能性を否定することはできません。
世界全体が分断状態にあるからこそ、プラチナにおいても分断起因の出し渋りが起きる可能性があることに留意が必要です。長期視点で供給減少→価格反発、というシナリオもまた、描ける環境にあるといえます。
図:プラチナの主要鉱山生産国の自由民主主義指数
出所:V-Dem研究所およびWorld Platinum Investment Councilのデータより筆者作成