原油反落。米主要株価指数の反落などで。78.51ドル/バレル近辺で推移。
金反発。米10年債利回りの反落などで。2,333.55ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。24年09月限は15,235元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。24年07月限は602.8元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1380.85ドル(前日比17.45ドル拡大)、円建てで6,918円(前日比17円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(6月14日 18時16分時点 6番限)
金 11,751円/g
白金 4,833円/g
ゴム 335.9円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「安定(原油高)求める動きは長期化」
前回は、「OPECプラスも世界分断の渦中にいる」として、OPECプラスの自由民主主義指数(平均)について述べました。
今回は、「安定(原油高)求める動きは長期化」として、「ESG」「SNS」が原油価格を高止まりさせた経緯について述べます。
原油価格が高止まりしている一因に、OPECプラスが強い動機(感情論を含め)をもって減産に取り組んでいることが挙げられます。以下は、筆者が考える強い動機が生まれた経緯です。
西側と非西側の「世界分断」は、減産(原油の出し渋り)のほか、原油の供給減少懸念を強める戦争の原因でもあります。そして、図のとおり世界分断は、「ESG」と「SNS」の世界的な普及が一因で発生した可能性があります。
SNSは、大きな選挙の際に、たびたび民主主義の根幹をゆるがす側面を見せてきました(2016年の米大統領選、英国のEU(欧州連合)離脱を問う国民投票など。2024年4月の日本の衆議院補欠選挙もその可能性は否定できない)。ESGについては先述のとおり、石油を一方的に否定し、産油国を傷つけるきっかけになりました。
原油価格を下げたければ、戦争や出し渋り(減産)の一因である世界分断を解消する必要があります。そして世界分断を解消するためには、ESGのスピードを緩めたり、SNSの使用頻度を下げたりする必要があります。
これまで莫大(ばくだい)な投資を続けてきたESGを止めたり、人々の生活のインフラと化したSNSを使わないようにしたりすることは、できるのでしょうか。できないと、筆者は考えます。それはつまり、人類がインフレを止める現実的で有効な手段を持ち合わせていないこと、インフレが長期視点で続くことを示唆していると言えます。
2022年の後半以降、原油価格は70ドル前後から95ドル前後という高水準を維持しつつ、小幅なレンジ内で推移しています。小幅なレンジであるのは、材料がないからではなく、上昇圧力と下落圧力が拮抗(きっこう)しているためです。
下落圧力は、インフレが続いていることで経済活動の諸コストが増えたり、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げのタイミングが遅れたりして景気回復が遅れる懸念が浮上していることや、中国の景気減速懸念が根強く残っていることなどが挙げられます。上昇圧力は、主要な産油国からの供給減少懸念(OPECプラスの減産やウクライナ戦争・中東情勢悪化)や、需要が増加する観測が浮上していることが挙げられます。
「脱炭素」や「世界分断」を背景に、強い覚悟をもってOPECプラスが「安定」を求めて減産を続けている以上、原油価格が大暴落する可能性は低いと考えています。インフレは続く、というアイデアをもって投資活動に当たることが必要かもしれません。
図:「ESG」「SNS」が原油価格を高止まりさせた経緯
出所:筆者作成
金反発。米10年債利回りの反落などで。2,333.55ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。24年09月限は15,235元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。24年07月限は602.8元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1380.85ドル(前日比17.45ドル拡大)、円建てで6,918円(前日比17円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(6月14日 18時16分時点 6番限)
金 11,751円/g
白金 4,833円/g
ゴム 335.9円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「安定(原油高)求める動きは長期化」
前回は、「OPECプラスも世界分断の渦中にいる」として、OPECプラスの自由民主主義指数(平均)について述べました。
今回は、「安定(原油高)求める動きは長期化」として、「ESG」「SNS」が原油価格を高止まりさせた経緯について述べます。
原油価格が高止まりしている一因に、OPECプラスが強い動機(感情論を含め)をもって減産に取り組んでいることが挙げられます。以下は、筆者が考える強い動機が生まれた経緯です。
西側と非西側の「世界分断」は、減産(原油の出し渋り)のほか、原油の供給減少懸念を強める戦争の原因でもあります。そして、図のとおり世界分断は、「ESG」と「SNS」の世界的な普及が一因で発生した可能性があります。
SNSは、大きな選挙の際に、たびたび民主主義の根幹をゆるがす側面を見せてきました(2016年の米大統領選、英国のEU(欧州連合)離脱を問う国民投票など。2024年4月の日本の衆議院補欠選挙もその可能性は否定できない)。ESGについては先述のとおり、石油を一方的に否定し、産油国を傷つけるきっかけになりました。
原油価格を下げたければ、戦争や出し渋り(減産)の一因である世界分断を解消する必要があります。そして世界分断を解消するためには、ESGのスピードを緩めたり、SNSの使用頻度を下げたりする必要があります。
これまで莫大(ばくだい)な投資を続けてきたESGを止めたり、人々の生活のインフラと化したSNSを使わないようにしたりすることは、できるのでしょうか。できないと、筆者は考えます。それはつまり、人類がインフレを止める現実的で有効な手段を持ち合わせていないこと、インフレが長期視点で続くことを示唆していると言えます。
2022年の後半以降、原油価格は70ドル前後から95ドル前後という高水準を維持しつつ、小幅なレンジ内で推移しています。小幅なレンジであるのは、材料がないからではなく、上昇圧力と下落圧力が拮抗(きっこう)しているためです。
下落圧力は、インフレが続いていることで経済活動の諸コストが増えたり、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げのタイミングが遅れたりして景気回復が遅れる懸念が浮上していることや、中国の景気減速懸念が根強く残っていることなどが挙げられます。上昇圧力は、主要な産油国からの供給減少懸念(OPECプラスの減産やウクライナ戦争・中東情勢悪化)や、需要が増加する観測が浮上していることが挙げられます。
「脱炭素」や「世界分断」を背景に、強い覚悟をもってOPECプラスが「安定」を求めて減産を続けている以上、原油価格が大暴落する可能性は低いと考えています。インフレは続く、というアイデアをもって投資活動に当たることが必要かもしれません。
図:「ESG」「SNS」が原油価格を高止まりさせた経緯
出所:筆者作成