[Vol.1784] 資産形成の際は長期のテーマに注目すること

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。73.02ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。2,454.20ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。25年01月限は15,615元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。24年09月限は548.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1533.65ドル(前日比4.75ドル拡大)、円建てで6,989円(前日比3円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(8月6日 18時14分時点 6番限)
11,241円/g
白金 4,252円/g
ゴム 315.0円/kg
とうもろこし -円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「資産形成の際は長期のテーマに注目すること」
前回は、「海外の金(ゴールド)相場が短期的な急反発」として、金(ゴールド)に関わる七つのテーマ(2024年7月末~8月初旬)を確認しました。

今回は、「資産形成の際は長期のテーマに注目すること」として、海外金(ゴールド)現物価格と国内地金大手小売価格の推移(1973年~)を確認します。

前回、足元の金(ゴールド)相場の反発について述べましたが、この内容の想定する時間軸が短中期であったため、この内容を基に運用をするとなると、おのずと短中期的な運用を行うこととなります。

ですが、以前の「[Vol.1772] 金(ゴールド)を買うのに恐怖心は不要」で述べたとおり、有事ムードをきっかけに資産形成を始めたとしても、その有事が今後数十年間続くことを想定する人は多くはないでしょう。このため、長期が前提となる資産形成の際は、短中期ではなく、中長期と超長期のテーマに注目することとなります。

以下の図は、市場環境が大きく変化した2010年ごろ以降の、中長期と超長期のテーマが及ぼす金(ゴールド)市場への影響(イメージ)を示しています。中長期のテーマは短くて数カ月、長くて数年、超長期のテーマは短くて数年、長くて数十年に及びます。

参考までに短中期のテーマの時間軸は数秒から数カ月(金融緩和など人為的な材料起因の影響は例外的に数年に及ぶこともある)を想定しています。また、1970年代後半の「有事ムード」だけ、1980年代後半から1990年代後半の「代替資産」だけで、金(ゴールド)の値動きを説明できた様子を確認することもできます。

図:海外金(ゴールド)現物価格と国内地金大手小売価格の推移(1973年~)
図:海外金(ゴールド)現物価格と国内地金大手小売価格の推移(1973年~)
出所:LBMAおよび国内地金大手のデータを基に筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。