[Vol.1835] 西側、非西側、スタンスなしで世界は分裂

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。69.59ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。2,750.25ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年01月限は18,435元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年12月限は532.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1725.35ドル(前日比2.40ドル拡大)、円建てで8,389円(前日比163円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(10月22日 大引け時点 6番限)
13,277円/g
白金 4,888円/g
ゴム 391.1円/kg
とうもろこし 35,750円/t
LNG 2,000円/mmBtu(24年12月限 10月15日17時54分時点)

●NY銅先物(期近) 月足  単位:ドル/ポンド

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「西側、非西側、スタンスなしで世界は分裂」
前回は、「世界の民主主義は2010年頃にピークアウト」として、自由民主主義指数(世界平均)(1903年~2023年)を確認しました。

今回は、「西側、非西側、スタンスなしで世界は分裂」として、世界分断・分裂の過程(筆者イメージ)を確認します。

下図の左のとおり、東西冷戦が終結した1989年ごろから世界の民主主義がピークに達した2010年ごろまで、世界は民主主義の機運を強める方向でおおむね一致していました。

お互いを認め合い、話し合い、世界が団結して前に進もうとしていたころです。1993年のEU(欧州連合)発足や、その後、断続的に発生した東欧諸国のEU加盟などは、まさにその象徴だったと言えます。

しかし、前回の図「自由民主主義指数(世界平均)(1903~2023年)」が示す通り、世界の民主主義は2010年ごろをピークに、徐々に減退しはじめました。この2010年ごろ以降のイメージが下図の右のとおりです。

2010年ごろ以降、あくまで民主主義を貫く西側諸国、それと対抗する姿勢を鮮明にする非西側諸国との間で分断が目立ち始めました。この分断は、考え方が真っ向から割れていることから、(1)スタンスの分断だと言えます。

同時に、西側や非西側と意図的に距離を置く、あるいは無関心などの理由で、明確なスタンスを示さない国の存在も目立ち始めました。この分断は、(2)スタンスの有無の分断だと言えます。2010年ごろ以降、(1)の分断を中心とし、(2)の分断も相成って、世界はさながら「分裂」状態にあると言えます。

世界が分断・分裂した背景については以前の「[Vol.1829] 分断深化継続で金(ゴールド)は高止まり」で詳細を述べたとおり、SNSとESGのマイナスの側面が目立ったことによる影響が大きかったと考えられます。

図:世界分断・分裂の過程(筆者イメージ)

出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。