原油反落。米主要株価指数の反落などで。70.02ドル/バレル近辺で推移。
金反落。米10年債利回りの反発などで。2,737.30ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。25年01月限は17,760元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。24年12月限は537.4元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1722.6ドル(前日比7.30ドル拡大)、円建てで8,431円(前日比16円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(10月25日 16時54分時点 6番限)
金 13,351円/g
白金 4,920円/g
ゴム 371.7円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,000円/mmBtu(24年12月限 10月15日17時54分時点)
●NY銅先物(期近) 月足 単位:ドル/ポンド
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「物価を左右するコモディティ価格は最上流」
前回は、「銅、原油、小麦など『武器化』の実績あり」として、各種コモディティ(国際商品)生産国上位の自由民主主義指数(平均)を確認しました。
今回は、「物価を左右するコモディティ価格は最上流」として、コモディティが川上にあることのイメージを確認します。
とかく、コモディティ相場は景気動向に左右されると思われがちですが、景気動向が顕著にけん引したのは世界分断・分裂が目立ち始める2010年ごろよりも前の時代です。確かに、2000年ごろから2008年までの中国やインドなどの新興国が台頭してきた時代は、景気動向がコモディティ相場をけん引しました。
ですが、2010年ごろから始まった世界分断・分裂流れの中で、「資源の武器利用」が行われやすくなり(思惑も含む)、徐々に生産国側の動きが相場に大きな影響を与えるようになりました。こうした世界規模で長期視点の流れを読み取らなければ、今どきのコモディティ相場の動向を分析することは不可能だと言えます。
原油相場も銅相場も、かつては「景気のバロメーター」と呼ばれましたが、分断・分裂が目立ち始めてからは、景気が悪化する局面でも、産油国が減産を強化すれば原油相場は上昇しますし、西側がロシア産の金属を買わないようにする姿勢を鮮明にすれば銅相場は上昇します。
逆に、景気が上向いている局面でも、産油国が減産を緩めれば原油相場は下落しますし、供給が安定的になる材料が出れば銅相場は下落します。2010年ごろ以降の世界分断・分裂進行は、原油や銅から「景気のバロメーター」という役割を奪ったと言えるでしょう。
以下のように、コモディティ(国際商品)は、社会のさまざまな事象の上流に位置します。金融政策が物価動向を意識しているのであれば、それはコモディティ相場を意識していることとほとんど同じ意味です。ガソリンなど直接的なモノの価格だけでなく、電気代や輸送代が関わるサービスの価格にも、コモディティ価格は強い影響を及ぼしています。
世界分断・分裂が目立ち始めた2010年ごろ以降の、コモディティ市場の環境の変化に十分に留意の上、コモディティが社会的事象の川上にあることを再認識する必要があります。
需要の側面だけでコモディティ相場を観察しないこと、コモディティ相場は生産国側の思惑が強く影響していること、実際に、2010年ごろ以降に価格高騰・高止まりが発生している銘柄がいくつもあることなどに、留意しなければなりません。
分断・分裂は、長期視点の世界的潮流です。その一因が、SNSやESGなど、人類がよかれと思って始めた動きであるため、すぐにやめることはできません。このため、世界分断・分裂は今後も長期にわたり、継続する可能性があります。
これはつまり、「資源の武器利用」が長期化する、各種コモディティ市場に上昇圧力がかかり続ける、長期視点の価格上昇・価格高騰が続くことを意味していると、筆者は考えています。世界全体の潮流を感じ、過去の常識にとらわれず、市場と向き合うことが、重要であると考えます。
図:コモディティが川上にあることのイメージ
出所:筆者作成
金反落。米10年債利回りの反発などで。2,737.30ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。25年01月限は17,760元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。24年12月限は537.4元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1722.6ドル(前日比7.30ドル拡大)、円建てで8,431円(前日比16円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(10月25日 16時54分時点 6番限)
金 13,351円/g
白金 4,920円/g
ゴム 371.7円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,000円/mmBtu(24年12月限 10月15日17時54分時点)
●NY銅先物(期近) 月足 単位:ドル/ポンド
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「物価を左右するコモディティ価格は最上流」
前回は、「銅、原油、小麦など『武器化』の実績あり」として、各種コモディティ(国際商品)生産国上位の自由民主主義指数(平均)を確認しました。
今回は、「物価を左右するコモディティ価格は最上流」として、コモディティが川上にあることのイメージを確認します。
とかく、コモディティ相場は景気動向に左右されると思われがちですが、景気動向が顕著にけん引したのは世界分断・分裂が目立ち始める2010年ごろよりも前の時代です。確かに、2000年ごろから2008年までの中国やインドなどの新興国が台頭してきた時代は、景気動向がコモディティ相場をけん引しました。
ですが、2010年ごろから始まった世界分断・分裂流れの中で、「資源の武器利用」が行われやすくなり(思惑も含む)、徐々に生産国側の動きが相場に大きな影響を与えるようになりました。こうした世界規模で長期視点の流れを読み取らなければ、今どきのコモディティ相場の動向を分析することは不可能だと言えます。
原油相場も銅相場も、かつては「景気のバロメーター」と呼ばれましたが、分断・分裂が目立ち始めてからは、景気が悪化する局面でも、産油国が減産を強化すれば原油相場は上昇しますし、西側がロシア産の金属を買わないようにする姿勢を鮮明にすれば銅相場は上昇します。
逆に、景気が上向いている局面でも、産油国が減産を緩めれば原油相場は下落しますし、供給が安定的になる材料が出れば銅相場は下落します。2010年ごろ以降の世界分断・分裂進行は、原油や銅から「景気のバロメーター」という役割を奪ったと言えるでしょう。
以下のように、コモディティ(国際商品)は、社会のさまざまな事象の上流に位置します。金融政策が物価動向を意識しているのであれば、それはコモディティ相場を意識していることとほとんど同じ意味です。ガソリンなど直接的なモノの価格だけでなく、電気代や輸送代が関わるサービスの価格にも、コモディティ価格は強い影響を及ぼしています。
世界分断・分裂が目立ち始めた2010年ごろ以降の、コモディティ市場の環境の変化に十分に留意の上、コモディティが社会的事象の川上にあることを再認識する必要があります。
需要の側面だけでコモディティ相場を観察しないこと、コモディティ相場は生産国側の思惑が強く影響していること、実際に、2010年ごろ以降に価格高騰・高止まりが発生している銘柄がいくつもあることなどに、留意しなければなりません。
分断・分裂は、長期視点の世界的潮流です。その一因が、SNSやESGなど、人類がよかれと思って始めた動きであるため、すぐにやめることはできません。このため、世界分断・分裂は今後も長期にわたり、継続する可能性があります。
これはつまり、「資源の武器利用」が長期化する、各種コモディティ市場に上昇圧力がかかり続ける、長期視点の価格上昇・価格高騰が続くことを意味していると、筆者は考えています。世界全体の潮流を感じ、過去の常識にとらわれず、市場と向き合うことが、重要であると考えます。
図:コモディティが川上にあることのイメージ
出所:筆者作成