史上最高値更新の金相場、今後の見通しは?

著者:菊川 弘之
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 前回(10/17)の当欄コラムで、『安易な値頃感は持たず、資産の何割かは値段に関係なく、金(現物)を保有する戦略を継続したい。』とし、『NY金の上値目標は、心理的節目以外には一目均衡表からは、E=2742.6ドル、E=2725.6ドル、直近の波動からは、V=2798.6ドル、N=2824.8ドル、E=2914.7ドルなどが計算できる。

 円建て金の上値目標は、一目均衡表からは、E=14178円、V=14266円などが計算可能だ。過去の米利下げ局面(1998年以降の米利下げ局面の平均)を検証すると、米利下げから3ヶ月後・半年後・1年後の期間で、いずれも円建て金はNYダウやドル建て金よりも大きく上昇している。』

 と指摘したが、内外共に金相場が高値更新中だ。国内で小売価格が1グラム1万5000円を超え、NY金価格は、米金利上昇にもかかわらず、2800ドルの大台を突破した。

 他のリスク資産と比較しても、圧倒的な好パフォーマンスとなっている。

 NY金(12月限)の今年の始値は、2166ドル(1/2)。

 昨晩の終値は、2800.8ドル(10/30)。29.3%高。

 JPX金(先限)の今年の始値は、9421円(1/4)。

 昨日の終値は、13780円(10/30)。46.2%高。

 今回の値位置を大きく変えて上昇している背景は、大きなテーマとして「米国の覇権・基軸通貨ドルの揺らぎ」が根底にある。

 ドル離れ・米国離れが金価格への資金流入を招いている。


 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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