史上最高値更新の金相場、今後の見通しは?

著者:菊川 弘之
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 地政学リスクは燻っているものの、イラン・イスラエルの報復合戦は一服の兆しがある中、足元で金が大幅続伸を続けているのは、米大統領選挙後の波乱に備えての動きであろう。

 ただし、テクニカル的には、52週移動平均線との乖離率などを見る限り、いつ修正安となってもおかしくない状況で、短期的な過熱感は否めない。(P2チャート参照)。雇用統計~大統領選挙にかけて、様々な思惑も交錯して、変動率は上がりそうだ。

 今後の金相場のシナリオだが、米大統領選挙の結果如何で、いくつかのパターンが想定される。

 ①米大統領選挙で、すんなり勝敗決定。

 ⇒金相場は、リスクプレミアムが剥げ落ちる格好で調整安。金安・株高。

 ②米大統領選挙で、すぐに決着付かず。

 ⇒再集計や下院投票へもつれ込み、金相場は高値圏で推移。株安・金高。

 ③トランプ敗北で、内乱。

 ⇒株価下落に追随して、金相場も株価の損失補填的に売られるが、短期間に押し目を買われて急騰。株安・金高。

 現段階では、②シナリオの確率が最も高い。②になった場合、その後が①に近づくのか、③に近づくのかは、不透明な状況だ。


 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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